2012年10月5日
多くの日雇い労働者や野宿者が身を寄せる大阪の釜ケ崎(大阪市西成区)。ほど近い木津川で3年前の秋、群馬県出身の女性医師・矢島祥子(さちこ)さん(当時34)の遺体が見つかった。「釜の人とともに生きたい」と、医療支援に力を注ぐ中での突然の死だった。警察は事件と自殺の両面で調べ、遺族は今も情報提供を呼びかける活動を続ける。
■遺族ら「自殺あり得ぬ」
矢島さんが消息を絶ったのは2009年11月14日。午前4時すぎ、釜ケ崎(あいりん地区)にある勤務先の診療所を出て、同16日午前1時20分ごろ、約3キロ南西の木津川の渡船場近くに浮かんでいるのが見つかった。その間の足取りは不明だ。司法解剖の結果、死因は水死で、死亡推定時刻は14日午前だった。
月命日の14日、家族らは毎月必ず、情報を募るビラを診療所のある商店街で配り、渡船場に花を捧げる。