“昼ドラの帝王”脚本家・中島丈博の描く最新ドロドロ愛憎劇『赤い糸の女』がスゴすぎる

[2012年10月05日]


1961年に脚本家デビューし、NHK大河ドラマを史上最多の4作品担当。東海テレビ制作の昼ドラは今回の『赤い糸の女』でなんと10作目という中島丈博氏

裕福な美容整形医の家で育つも実母の愛を知らず、劣等感を抱く女子大生・唯美(ゆみ)。その中学校時代の同級生で大学ではクラスメイトの芹亜(せりあ)は、唯美の父の手で全身整形され美しくなった風俗嬢。ある日、芹亜の策謀で唯美は親友である麻衣子の婚約者と関係を持ってしまい、そこからふたりの人生は大きく動き始める……。

あらすじだけ読むと、一見フツーの愛憎劇に見える昼ドラ『赤い糸の女』が、いま話題だ。Yahoo!の検索ワードではウイークリーでトップに。公式ツイッターのフォロワーは4000人を超え、きゃりーぱみゅぱみゅやレイザーラモンRGもファンだという。なぜ、この昼ドラにハマる人々が続出しているのだろうか? その理由を、昼ドラに詳しいコラムニストのペリー荻野氏に聞いた。

「まず、なんといってもすごいのがセリフ回し。唯美が性交しながら言う『あたしはビオラ……鳴らして……鳴らして!』とか、自分の売春相手から芹亜が金をピンハネしていたのを知って怒った唯美の『私の体でぼろ儲もうけするんじゃないわよ!』とか……。さらに、唯美たち3人と関係を持っている男に芹亜が言った、『あんたは私たちのカサノバなんだから』なんてのもあったり(笑)、聞き逃したらもったいないセリフがバカスカある。生々しいんだけど、まるで脳から直接発しているように気持ちいいんですよね」

この『赤い糸の女』の原作・脚本を担当しているのが、かつて『真珠夫人』(2002年)や『牡丹と薔薇』(2004年)などの作品を大ヒットさせた“昼ドラの帝王”こと中島丈博先生。この中島先生の描く世界が、とにかく独特で強烈なのだ。

「やっぱり1話30分、しかも毎日放送だから、とにかくお客さんの目を引きつけなきゃいけない。だから、演出がやたら過剰なんですよね。今回、彼氏の浮気を知った主人公の親友が彼氏と対峙するシーンがあるんですが、怒りの表現がなぜか着物姿に般若のお面(笑)。そんな人は実際にはいないですけど、見た瞬間のインパクトはすごい! しかもそれが違和感なく成立してしまうのが中島ワールドのすごさですね」(荻野氏)

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