パブリック - イベントレポート

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「活力自治体フェア2002」

japan.internet.com 田中秀東

電子自治体などをテーマとした「活力自治体フェア2002」が、1月29日から31日の3日間、幕張メッセで開催された。

昨年、大阪で開催された時には、のべ2万3000人が訪れた。今年は、初日だけで約9000人、2日目だけで約1万人と、最終的には、昨年を上回る来場者数が見込まれている。

主たる来場者は、地域のIT化に関心を抱いている地方自治体関係者や、地方商工団体関係者など。また、出展者は、電子自治体ソリューションを提供している大手IT企業を始め、IT企業の誘致に積極的な地方自治体など、 97社・団体。

以下では、電子自治体、地域のIT化に関するシンポジウムや展示会の模様などを、一部紹介する。

講演会・シンポジウム

「活力自治体フェア」は29日午前、総務省総務審議官、月尾嘉男氏による特別基調講演「IT時代の地方自治」で開幕した。月島審議官は、IT革命の特性について触れた後、電子自治体の全体像、さらには、実現へのスケジュール、セキュリティ対策などを説明した。

電子化スケジュール
取組み及び国の支援策
2001年
2002年
2003年
国・地方を通じる基盤設備 庁内LAN、地域公共ネットワークの整備 運用開始(拡大中)
総合行政ネットワークの整備 2001年10月から順次運用開始
住民基本台帳ネットワークの整備     2002年8月から
インターネットでの本人確認の仕組み作り 行政機関側の認証(組織認証基盤)   2002年3月から運用開始
公的個人認証サービス     2003年中に運用開始
地方公共団体の電子窓口サービスの推進 申請・届出のオンライン化 2001年モデル実験 2002年運用開始
調達・入札の電子化     2003年から順次導入

(月島審議官資料より)

日本総研創発戦略センター
高村氏

29日午後には、地域活性化シンポジウム「eコミュニティが地域を元気にする」が開催された。IT をどのように活用し、地域振興を行うかに関し、ソリューションプロバイダー、コンテンツプロバイダー各社がプレゼンテーションを行った。

冒頭、日本総合研究所創発戦略センターの高村茂氏より、「地域eコミュニティ構想」に関する講演が行われた。

「地域eコミュニティ構想」とは、地域住民と地域企業が参加した「IT活用基盤」を構築し、地元に新事業を創出する「場」を産み出すことを指す。

その場合、たとえ、地元住民や地元企業・商店街などが、パソコンを持っていなくても、また、ITに詳しくない場合でも、ITの恩恵が受けられるような仕組みを作り出す必要がある。また、ハードやインフラだけでなく、地元住民にとって魅力的なコンテンツを提供することが重要となる。

高村氏は、「地元住民のニーズに沿ったコンテンツを地元住民に提供できることが行政サービスの向上につながることから、本来は地元自治体が地域のIT活用基盤のハード及びコンテンツを整備する必要がある」 と前置きした後、しかしながら、地元自治体は電子自治体化を進めるのに注力しており、財政状況も厳しいため、民間が主導となって、民間の資金と知恵を投入し、地域のIT化を進める官民連携プロジェクトを作り出していくべきであると提言した。

地域eコミュニティ実現のための課題

(1)電子市役所化 (庁内の情報化)
 文書管理のデジタル化、様々なオンライン申請手続き等、行政サイドで進めるべき内容。

(2)地域コミュニティ活性化(地域情報化)
 住民の生活利便性向上・エンタテインメント情報の提供等官民連携で進めるべき内容。
(3)地域産業振興
 B2C、B2B、B2G等地元企業を中心に進めるべき内容→商工会議所等を中心に、IT活用戦略の構築・推進が有効。
(日本総研創発戦略センター 高村茂氏資料より)

また、高村氏は、e-Japan を実現する上で、全国一律の仕組みではなく、各地の特性を勘案した、適正規模のeコミュニティを1つのユニットとして、そのユニットからなる e-Japan の実現が必要であると指摘した。そして、その「適正規模」として、30万人〜50万人程度の地域ユニットが望ましいと述べた。

「地域eコミュニティ」実現のための具体的課題としては、電子市役所化、地域コミュニティ活性化、地域産業振興を挙げ、住民、地方自治体、地元企業、ソリューションプロバイダーなどが協力しあって、それらに取り組むべきであると提言を行った。

高村氏の講演の後、ソリューションプロバイダー、コンテンツプロバイダー各社よりプレゼンテーションが行われた。

プレゼンテーションの中では、GIS(地理情報システム)に関するものが多く、例えば、昭文社ゼンリンデータコムは、これまでの様々な地図出版の経験を活かし、地元住民の生活感覚により近い切り口で、地図データをオンライン行政システムの一部として活かすことを提言した。

コミュニケーションオンライン
鳥居氏
ローソン
中川氏

また、地域に根ざしたコンテンツをネット上に充実させていく上で、地域のネットユーザーをコンテンツ作成に取り込み、ローコスト、かつ、活発なコンテンツ展開を図ろうとするソリューションが、コミュニケーションオンラインマーケティングジャンクションから提案された。

例えば、コミュニケーションオンラインは、全国54の都市別にグルーピングされた無料ホームページスペースを提供し、25万人の会員が、それぞれの都市内にホームページを持つことで、地域に根ざした独自コンテンツを無料で発信するというモデルを展開している。

コミュニケーションオンラインの鳥居氏によるプレゼンテーションでは、「静岡県呉服町名店街」の例があげられ、オンライン都市「静岡」に属するホームページ会員と静岡県呉服町名店街とが、オンラインとオフラインで交流を深めるモデルが紹介された。

このプレゼンテーションの中で、最も大胆な発想を提示したのは、コンビニ大手のローソンであった。

ローソン事業開発部の中川氏は、冒頭、「行政サービスを得るために、ICカードリーダーを自宅のパソコンに取り付ける人がいますか?」と問題提起した後、ローソン店内の Loppi 端末を、行政サービス提供の端末にするというモデルを提示した。

この「ローソン行政サービス」ともいうべきモデルのメリットとして、中川氏は、専用線を利用するため高いセキュリティが確保できること、さらに、街頭端末を設置するよりも、はるかに低コストで済むことなどを挙げた。一方、デメリットとして、ローソンといった特定企業と接続することによる公平性の問題などが指摘された。

ただし、中川氏は、ローソン一社でのソリューション以外にも、コンビニ各社を含めたより大きなソリューションとしての実現の可能性も示唆した。コンビニ行政サービスが実現した場合の例としては、図書館の本の貸し借りが、コンビニで出来るといったサービスが紹介された。

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