日本人コンビが頑張った! イチロー(左)は好投した黒田と歓喜のハイタッチだ【拡大】
大役を果たした。黒田が7回2失点で、自己最多の16勝目。レ軍の松坂との背番号18対決を制して、優勝投手になった。
「ホッとした。楽しむというより、ちょっとゆっくりしたい。出来すぎの部分もあるが、何とかここまで来られた」
一回に1点を失ったが、その後はスライダーと速球を軸に、打たせて取る投球。緩急も駆使し、毎回走者を出しながらも踏ん張った。負ければ優勝決定戦にもつれる可能性もあった一戦で白星を届けた。
ドジャースから移籍1年目の今季は、左腕エースのC・C・サバシア投手(32)が2度も故障者リスト入り。開幕からローテーションを守った上、本拠地開幕戦や後半戦初戦などの重責も任されてきた。
「ずっと同じぐらいの重圧で33試合マウンドに上がってきた」
今季の投球回数はア・リーグ4位で、メジャー5年目で自己最多の219回2/3に達した。日本投手で今季の黒田以上に投げたのは1996年と2002年の野茂だけだ。
来年2月で38歳になる右腕は、1つ年上のイチローの加入も刺激にしてきた。「長くできる秘訣(ひけつ)は近くにいないと分からない。間近で見られたのは財産」。年下を理由に内容は明かさなかったが、イチローから得たことは多かった。
まさに円熟右腕。日本時代も、メジャー移籍の際にも注目度はいつも上だった松坂が三回途中降板と、明暗がクッキリ分かれた。「地区優勝のためにやってきたんじゃない」。ド軍時代に果たせなかった世界一を目指して、黒田が明るい表情で先を見据えた。
(紙面から)