放火事件:前科で立証「特殊性必要」 最高裁が基準示す

毎日新聞 2012年09月07日 21時15分(最終更新 09月07日 22時47分)

 検察側は前科事件を間接的な証拠として採用するよう求め、「いずれも空き巣に入った先で思うように金品が得られなかった腹いせに灯油を使って放火した。うち10件は室内で放火、7件は現場にあったストーブの灯油を使用した」と今回の事件との類似性を強調。「手口が高度に共通しており、犯人性を高める証拠とできる」とした上で「住人が留守にしていた5時間20分の間に被告以外の第三者が入って放火することは常識では考えられない」と主張していた。

 これに対し弁護側は「前科が過大評価されれば誤った有罪判決が下される」と反論。1審・東京地裁は公判前整理手続きで「裁判員に偏見を与える恐れがある」として前科を証拠採用せず、放火を無罪とした。2審は「今回の事件との類似性が特徴的」として証拠採用すべきだとした。

 小法廷は今回の事件を「放火の手口はさほど特殊といえない。単に反復しているだけでは犯人だと認定できない。前科によって被告に犯罪傾向があるとの人格評価を加え犯人だと推論する立証は、合理性に乏しく許されない」と述べた。裁判官4人全員一致の意見。【石川淳一】

 ◇解説 裁判員の偏見排除を意識

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