レアアース:中国規制せず…日本の調達先分散で効果薄れ
毎日新聞 2012年10月03日 20時45分(最終更新 10月03日 23時54分)
家電製品やエコカーなどの素材として重要な資源である「レアアース」。日本への最大の供給元の中国は、10年の沖縄県・尖閣諸島沖漁船衝突事件で、対抗措置として対日輸出を規制したが、今回はレアアースというカードを切っていない。中国は00年代に世界の供給量の大半を握っていたが、大口需要家の日本企業などが代替品の開発や調達先の分散を進めた結果、需給バランスが変化し、輸出が減少したことが背景にある。今後の中国の対応が注目される。【北京・井出晋平、立山清也】
◇尖閣対応、2年前と変化
日本はレアアースの調達先の多様化を進めた結果、中国への依存度は確実に低下している。輸入に占める中国産の割合は10年に8割超だったが、今年1〜6月は5割を切った。代替品の活用などで全体の輸入量も減っており、今年1〜6月は一昨年の半分以下。中国の輸出規制で昨年夏に急騰した価格も、今年夏にはピークから7割程度低下した。