原爆慰霊碑:赤いスプレーで落書き 容疑者逮捕 広島
毎日新聞 2012年09月21日 20時52分(最終更新 09月21日 21時23分)
21日午後2時50分ごろ、広島市中区の平和記念公園で、「原爆慰霊碑に赤いスプレーをかけた人がいる」と通行人の女性から110番があった。駆け付けた広島県警の自動車警ら隊員が、約500メートル東の路上にいた同市西区南観音2、アルバイト店員、増田英治容疑者(35)を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。県警によると、増田容疑者は逮捕時、酒に酔った状態で手に赤いスプレーを持っていた。「オスプレイや沖縄問題に腹が立ってやった」と供述しており、動機について慎重に調べている。
逮捕容疑は21日午後2時50分ごろ、原爆慰霊碑の石室に、赤いスプレーを吹き付けたとされる。県警によると、「安らかに眠って下さい/過ちは/繰返しませぬから」と碑文を刻んだ石室のほぼ全面に、赤いスプレーで「∞」のように吹き付けられていたという。
広島市によると、建築家の故丹下健三氏が設計した慰霊碑の石室(高さ約77センチ、幅約1.24メートル、奥行き約2メートル)には、原爆死没者28万959人の名簿が納められている。松井一実広島市長は「原爆死没者の御霊(みたま)を冒とくするものと言わざるを得ず、強い憤りを覚える」とコメントした。