衝撃情報 水谷建設裏金1億円はやっぱり「作り話」だったか
【政治・経済】
小沢裁判「無罪」迫る
水谷建設の裏金疑惑は、東京地検特捜部が小沢に狙いを付けたキッカケとされる。特捜部は水谷功元会長や川村尚元社長から“裏金証言”を得て、「陸山会」が東京・世田谷の土地購入費に紛れ込ませた――との筋書きを描いて強制捜査に突っ走った。小沢の元秘書の石川知裕衆院議員ら3人の裁判では、川村元社長が石川に「裏金を渡した」と証言し、東京地裁は裏金授受を「推認」したのである。
ところが、そもそも水谷建設は1億円を支出していなかった可能性が高まってきたのだ。経営破綻した水谷建設の管財人が、帳簿をどんなに調べても、1億円の不正支出が見当たらないというのだ。管財人の北浜法律事務所(大阪)を直撃すると、担当者はこう答えた。
――裏金は確認されましたか。
「不当な支出があったとは認められていません」
――裏金は存在しなかった、という意味ですか。
「確認できていないということです。(裏金疑惑の04年は)古すぎるし、検察からも任意の資料提出を求められていて、関係資料が手元にあまり残っていません。そもそも最初の事件(06年の脱税事件)で資料がゴッソリ押収されているので……」
これは驚きではないか。プロの管財人が数カ月かけてカネの流れを丹念に調べているのだ。それでも裏金の痕跡すら見つからないのは不思議である。
「昨年12月から水谷建設の『会社更生』手続きが始まった。経営再建中の水谷建設にとって1億円もの違法支出は大きな損失です。管財人は水谷元会長や川村元社長から取り戻そうと懸命に調べています。それなのにいまだに何も見つからないのはおかしい」(司法ジャーナリスト)
こうなると、やはり裏金1億円は「作り話」だった疑いがますます強くなる。
「検察の動きも気になります。水谷元会長や川村元社長が、裏金1億円を懐に入れた疑いがあると業務上横領などで告発されているとはいえ、今さら、管財人に資料の任意提出を求めて何を調べるのか。管財人にカネの流れを詳しく調べられるのを嫌がって資料を持っていったのではないかと勘繰ってしまいます」(事情通)
1億円の裏金は、初めから架空だったのか、小沢事件をめぐる裏金疑惑の闇は深い。