XPSファイルをPDFファイルに変換する
MS OFFICE (WORD)のドキュメントをPDF変換した場合、
ドキュメントのなかに貼り付けられている「図面データ(ベクタグラフィックス)」が、
印刷イメージ通りに変換できないという問題が発生することがある。
① Wordのドキュメント
② Wordから直接変換して、「Acrobat」で作成したPDF
塗りつぶしの透明度が変わってしまうため、下のレイヤーの図面が見えない。
③ Wordから直接変換して、「いきなりPDF」で作成したPDF
透明度は活きているが、図面のラインが太くなってしまう
従来は、紙に印刷してからスキャナーで読み取ることにより、
画像データをビットマップグラフィックス(ラスタグラフィックス)にして対応してきた。
この問題の解決方法として、2008年2月の記事を参照して
OFFICE2007のドキュメントを直接入力してPDFを作成するのではなく、
先に、OFFICE2007のドキュメントをXPSファイルとして書き出した中間ファイルを作成し、
次いで、XPSファイルをPDFファイルに変換するという裏技を応用してみた。
「MICROSOFT XPS DOCUMENT WRITER を使えば、正確なPDFファイルが作成できる」
http://white-cup.cocolog-nifty.com/script/2009/03/microsoft-xps-d.html
WORD2007の「名前を付けて保存」の選択肢として、
「このドキュメントのコピーをPDFファイルまたはXPSファイルとして発行します」
という機能が標準装備されている。
PDFファイルを作成するのに便利な機能として、日常的に利用しているが、
XPSファイルを作成する機会は殆どないままになっている。
今回、下記の手順でPDFファイルを作成したところ、
図面データが(ベクタグラフィックス)のままの品質で
印刷イメージ通りのPDFファイルに変換することができた。
④ Wordのドキュメントを「WORD2007」で、XPSファイルとして発行する。
Wordのドキュメント・イメージと同じ内容が保全されている。
⑤ XPSファイルを「Acrobat」で、PDFファイルに変換する。
XPSファイルと同じ内容が保全されている。(色が少し変っている)
WORD2007を使ってドキュメントを作成している周囲の人に聞いてみたが、
XPSファイルとは何かということを理解している者は殆どいない。
XPS(XML Paper Specification)は、Office 2007などで採用されている
XMLベースの文書ドキュメント・フォーマットであると言葉では知っていたが、
マイクロソフト版の閲覧用PDF(Portable Document Format)という理解をし、
その延長として「編集できないPDFのようなもの」という偏狭な見方をしていた。
PDFファイルとXPSファイルの優劣を論ずるのではなく、
XPSファイルをPDFファイルに変換することにより、
XPSベースのテクノロジーの優秀性を実感することが出来た。
結果に導かれて、改めてXPSのサイトを検索してみた。
マイクロソフトのサイト「XML Paper Specification: 概要」に
XPSの特徴として「印刷品質の保全」に優れていることが示唆されている。
http://www.microsoft.com/japan/whdc/xps/default.mspx
「XPS ベースのテクノロジをアプリケーションに実装することで、
以前はハイエンドのグラフィック アート アプリケーションでしか
実現できなかったのと同等の印刷品質を得ることができます。」
同じ手順で、別の「PDF変換エラー」を実行したところ、問題が解決できた。
「XPSファイルをPDFファイルに変換する」(PDF 361KB)
「WORD_XPS_PDF_S.pdf」をダウンロード
| 固定リンク
「PDF-D PDFデータの作成」カテゴリの記事
- MICROSOFT XPS DOCUMENT WRITER を使えば、高品質のPDFが作成できる。(2009.03.18)
- XPSファイルをPDFファイルに変換する(2009.03.11)
- XPSファイルをPDFファイルに変換してから、JPEGファイルやTIFFファイルとして保存する。(2009.06.12)
- 画像データをPDF変換すると容量が激減するのは何故か。(2009.03.06)
- 画像解像度とデータ容量(2007.07.28)
コメント