国際ハッカー:東大など5大学被害 情報流出の恐れ
毎日新聞 2012年10月04日 10時50分(最終更新 10月04日 13時20分)
東京大や京都大など国内5大学のサーバーが不正にアクセスされ、データベースのIDやパスワードなどが流出した恐れがあることが、大学などへの取材で分かった。「ゴーストシェル」と名乗るハッカー集団が1日、世界100大学から約12万件の情報を流出させたとする声明をネット上で公開し、大学から相談を受けた文部科学省が調査を始めている。内閣府によると、国際的なハッカー集団「アノニマス」に影響を受けたグループとみられるという。
ハッカー集団が情報を流出させたとしているのは、東大、京大、東北大、名古屋大、大阪市立大の5大学。
東大によると、学内の人物の名前やメールアドレスなどが流出したとみられる。また名大によると、不正にアクセスされたとみられるのは工学部が管理しているグリーンモビリティ連携研究センターのサーバー。2日に学内から指摘があった。サーバー管理者のIDや、取引先のメールアドレスなどが流出した恐れがあるという。各大学も被害実態の調査をしている。
大阪市立大では、3日午前に情報セキュリティー団体からの連絡で発覚。大学院創造都市研究科の論文が不正アクセスされていたという。広報担当者は「大阪大学と間違えられたのではないか」と話している。東北大の広報担当者は「3年前まで使っていたサーバーに不正アクセスされた可能性があるが、個人情報などは入っておらず、実害はないだろう」とみている。
ゴーストシェルは米政府を攻撃したこともあるとされ、サイト上では世界の教育制度を批判し、その主張をアピールするために情報を流出させたと言及している。
100大学の中にはハーバード大学やケンブリッジ大学なども含まれている。【稲田佳代、池田知広、川崎桂吾】