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格差と孤立「代弁」
ご飯あげて■教育ちゃんと
国内に「7人に1人」いる貧困状態の子どもたちの気持ちを、50人の子どもたちが代弁した貧困観調査。「お金がないとつらい」「なんで自分だけって考えて、人と接するのが嫌になる」―。どの声も具体的で、重い。子どもたちは言葉や文字、絵で考えを表現しながら、必要だと思う支援策を挙げた。意見の中には、課題解決のヒントが詰まっていた。
聞き取りは、NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと、県内の大学生が実施した。5~6人の子どもたちと一つのテーブルを囲み、ゲームを取り入れながらリラックスした雰囲気をつくった。子どもたちは日々の暮らしを思い起こし、時に考え込みながら、言葉をつなげた。
「どんな時にお金が必要かな」。「給食費」「修学旅行」「制服」「電気とかガス代」―。次々に声が上がった。子どもたちは、学校や暮らしにどれだけお金がかかるのか、よく知っている。
それだけに「7人に1人」の気持ちになると、複雑な心境に。「つらい」「自分だけばかだって思っちゃう」「いじわるされるから部屋に閉じこもってる」「貧しいのを知られたくなくて、あまり人とかかわりたくない」
貧困が経済や教育の格差に加え、自己肯定感の低下や社会からの孤立など多方面に影響を及ぼす、と感じているようだ。
児童養護施設などでは、なかなか思いを表現できない子も。話しやすくするため、原則として自分のことは言わないルール。質問に答えたくなければ答えなくてもいいが、それでも話せない子どもたちがいた。
一方で、ある子どもは「初めてこんなに自分の気持ちを言えた」と、うれしそうな表情をみせた。
指摘はどれも説得力があった。どんな対策が必要かを聞くと、中学3年生は「最低限の生活(を保障する)。ご飯もあげて、教育もちゃんと受けられるようにする。新聞とかテレビも見せて、周りの輪に入れるようにしたい」と提案。小学5年生は「法律で守ってあげる。そういう人優先の国にする」との意見を挙げた。
「聞く力」実感
大学生ら調査に参加
聞き取りには、子どもたちが話しやすいようにと、世代の近い県内各大学の学生も参加した。沖縄国際大大学院に通う國仲洋江さん(23)は、子どもたちがうれしそうに考えを表現する様子に触れ、気持ちを受け止める大切さを実感。「満たされないと、自分を責めるようになってしまう。子どもの意見を聞いてほしい」と呼び掛けた。
國仲さんは貧困下の子どもほど、周りの大人に余裕がなく、気持ちを伝えるチャンスが奪われていると感じた。「忙しく働いていたり、親も余裕がないのは分かる。けれど、それでは子どもは『誰も聞いてくれない』『話したって無駄』と諦めてしまう」
幼いころ、自身はよく近所のおばあちゃんに気持ちを打ち明けた。「何でも話せる人がいて安心した。調査で心を開いてもらうのではなく、身近に心を許せる人が必要」と実感を込める。
そのためには、まず大人同士が交流を心掛ける必要がある、と語る。「みんなが生きやすい社会を目指すためにも、つながりを大切にしたい」