東日本大震災:復興予算使途調査へ 「被災地外」に批判−−衆院委
毎日新聞 2012年10月04日 東京朝刊
国内立地推進事業費補助金(経済産業省)は、被災地でない岐阜県のコンタクトレンズ工場を支援したと批判を受けた。経産省は「工場が福島県や茨城県から原料を調達していることを重視した」と説明した。
毎日新聞の取材では8事業以外でも、文部科学省が「日本原子力研究開発機構」の核融合研究開発費として42億円を計上していた。青森、茨城両県に核融合に関する研究開発拠点を建設するためだが、同省は「復興基本方針で、被災地域の産業の知見を活用し、技術革新の拠点機能を形成すると定めている」と説明、問題はないとしている。
被災地以外で復興予算が使われるのは、政府が昨年7月に策定した復興基本方針で、全国各地の防災対策費の計上が認められたため。震災後、地方から被災地以外の防災対策も強化するよう要望が寄せられ、「5年で19兆円」と見積もった復興費のうち、1兆円程度を被災地以外でも使う方針が決まった。財源には、全国の自治体が集める住民税の増税分などがあてられる。
また、復興基本方針では、震災の影響を受けた製造業の海外移転などを防ぐための事業に復興予算を使うことも盛り込まれた。
全国防災対策費は12年度予算までに既に約1兆円が計上され、13年度予算の概算要求でも約9400億円の要求があった。当初予定した1兆円程度の枠を超えるのは確実とみられている。