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2012年10月03日

株式会社インクスを退職して株式会社ドワンゴ入社しました

最近株式会社ドワンゴ退職したというエントリー(ドワンゴでリストラ? 退職者が続出まとめ--2012秋編 - NAVER まとめ)ばかり見かけるので、逆のパターンを書いておこうと思いこのエントリーを書くことにしました。

といっても転職したのは今年の4月1日で、もう既に半年が経っています。ただこの半年でいろいろと見えてきたこともあるのでそこもうまくまとめてみました。


インクスを辞めたわけ

まず転職の理由ですが、

これが大きな理由です。

株式会社インクスは非常に優秀な人が集まる製造業向けコンサルティング会社だと思います。中に集まっている人の優秀さは半端じゃない(高学歴の集まっているという意味でも)。そんな人達徹夜一生懸命に、何回も合宿して、限られた時間の中で叡智を結集製造業プロセス改善に取り組んでいる。非常に価値のある試みをしていると思います

ただ過去の大きなチャレンジの失敗の結果倒産したこともあって、はやり給与面ではずっと厳しいままでした。自分自身は管理職でありましたが様々な手当やボーナス残業手当もなく生活面で厳しくなってきていたという現状があります

加えて、会社としてもコアコンピタンスであるコンサルティングによりリソースを投下する戦略を取っており、エンジニアとしてのキャリアパスを築くのが非常に難しくなっていました。そんな中で転職を選択したわけです。


ドワンゴを選んだわけ

いろいろな勉強会Webの記事で活き活きと活躍している人がドワンゴに務めているというのを知ってというのが大きな理由です。特にid:koizukaさん、id:yoshioriさん、id:j5ik2oさん、id:cojiさんなどの話を聞いたりしていると、すごくエンジニアが活き活きしていて、ドワンゴという会社がうらやましいと思っていました。また自分自身がTwitterボット作成サービス - キャラボットなどのOSSの配布をしていたこともあって、ユーザーの声が聴きやすサービスをやっていきたいという気持ちがありました。

そんな折にたまたま縁があり面接を受け、2011年10月内定を頂いたにも関わらず、2012年4月まで入社を待ってくれるという条件までつけてもらえてこの転職を決めました。

ちなみにこの時期というのはインクスで仕事を引き継いだり、並列して進めていた様々なプロジェクトクローズするのに非常に長い時間がかかったからというのが理由です。


インクスとドワンゴエンジニア環境の違い

一言で言うと、インクスはプロセス承認ありきのガチガチの開発体制、ドワンゴプロダクトがユーザーにさえ届けばやり方は自由、という感じです。誰が言ったかドワンゴエンジニアパラダイスだという言葉がありましたが、そんなに間違ってない気がします。

なんだかんだでインクスは大手SIerソフトウエアハウスIT土方的な文化があった点は否めません。逆にドワンゴ大学研究室の延長のような雰囲気かなと思います

一応その違いを表にしてまとめました。なお自分がいた部署同士の比較になるのでその点はご容赦ください。また項目が複数あるものは比率の高い順番に記述してあります

項目インクスドワンゴ
勤務体系裁量労働制裁量労働制
服装スーツ私服
出社時刻朝9時で遅刻厳禁自由だが大抵の人は昼11時〜15時に出社
退社時刻20時〜2320時〜25時ぐらいに退社
休憩時間10:30と15:00に10分休憩有いつでも取得可能
平均勤務時間12時間9時間
残業しない人が稀リーダークラス多忙残業が多い
有給の取りやす取りにくい(前職では残数30日超えた)取りやす
音楽を聞きながら業務している人は稀している人が半分以上
机の広さ狭い広い
机の上の整理整頓具合整頓を指示されることもあるマンガフィギュアボードゲームなどが置かれ、中にはとても散らかっている人もいる
机周りのインテリアこだわっている人は稀こだわっている人が数割いる
女性比率部署で5%ぐらい(退職しまくったので微妙)部署で20%ぐらい
毎日の業務報告自由
徹夜半年に2度経験
自宅での業務不可
開発プロセス改変したウォーターフォール現在スクラムにチャレンジ中
仕様書Excel記述印刷納品する場合も有りWikiテキストベース存在、ないものもある
検証項目書Excelで1機能で500〜1000項目程度Excelで1機能で200〜300項目程度
マシンCore i5Win7デスクトップCore i7のMacBookPro2011
モニタ19インチディスプレイx2Thunderbolt Display 27インチ
プロダクト開発言語Java, PHP, JavaScriptPHP, ActionScript, JavaScript, Java
ツール開発言語ExcelVBA, Ruby, PythonPHP, Ruby, Python
開発環境Eclipse固定自由
サーバーWindows ServerLinux
コードレビューマンツーマン椅子を並べてfecruを使ったシステムレビュー
リリース周期半年に1度毎週
リリース時の承認フローリリース判定会及び承認、押捺プロセスリーダーの許可と依頼メール
ドキュメント手順書等の◯◯書が沢山wikiに最低限の文書
電子コミュニケーションメール中心IRC, メッセンジャー中心
VCSCVSSVN
ITS影舞, Excel, Redmine, TracJIRA, Trac, 影舞
ドキュメンテーションExcel, PPT, PukiWikiConfluence, PukiWiki, Excel, PPT
CIJenkinsJenkins
環境へのデプロイ社内環境自動デプロイリリース出張全ての環境デプロイが手動、本番環境及びデータは極めて限られた人しか触れない
客先に出る機会要望整合などで出張まずない、あったとしても交流的なイベント
勉強会自主的に実施自主的に実施
外部勉強会への参加している人はしているしている人はしている
コーディングに対する意識職業プログラマが多く趣味コーディングする人はまれ趣味でもコーディングする人が多い

一応このように表にまとめて見ましたが、開発の現場環境としては労働時間的な側面以外は本質的にはそんなに変わらないように思います


インクスとドワンゴ本質的な違い、ドワンゴのすごさ

ただ自分が一番異なるなと思っていのは、やはり「コーディングに対する意識」かなと思います。この点は非常にドワンゴの方が優れている。そして開発者集団必要なのはここなんじゃないかなと思っています。そこに引きずられてやはりエンジニアとしてのレベルも高い方が多いように思います


コーディングが好きでソフトウエアがきっと人の生活を豊かにするんだと信じている人が多い、それがドワンゴのすごさだなと思いました。


最近ドワンゴでは、会社が急激に大きくなっていることもあり、今まで緩かった制度をより細かく規定して、組織の形としてシステム化しようとしています。これはある程度会社が大きくなる中で仕方がない面もあると思います。元々自由さを求め、サラリーマン的な堅苦しさが苦手な人には、居づらい環境になりつつあるのかもしれません。


なお、自分はこれからユーザーのために価値あるソフトウェアを書いていければなと思います

すでに自分の開発した機能リリースしてきましたが、やはりユーザーからのレスポンスをすぐにもらえるというのは、非常に嬉しいことだなと感じています


以上で報告を終わります。ここまで読んで頂きありがとうございました。

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