自転車ルール:悪質運転者に講習義務化も 警察庁検討へ
毎日新聞 2012年10月04日 11時53分
自転車の交通ルール違反が後を絶たないことを受けて警察庁は4日、有識者懇談会を設置し、ルール・マナーの徹底に向けた対策を検討することを決めた。自転車は免許制度がなく、安全教育の機会が限られているのが実情で「悪質で危険な運転者」への講習義務化などが議題となる。
自転車は道交法で「軽車両」と位置づけられるが、車のような免許制度はなく、違反者に対する講習もない。警察庁幹部は「体系的な教育を受ける仕組みがなく、ルールの理解や危険性の認識が十分と言い難い」と指摘。1〜8月に自転車乗車中に死傷した約8万2500人のうち64%に当たる約5万2900人にルール違反があったという。
こうした現状を踏まえ、懇談会は全国の交通安全教育の事例などを参考に効果的な教育手法を探り、安全教室などへの参加を促すため受講者への優遇措置なども検討する。ブレーキのないピスト(競技用自転車)の運転や酒酔い運転など道交法違反で検挙された「悪質で危険な運転者」に講習を義務付けることの是非も話し合う。
メンバーは大学教授やジャーナリストら6人。5日に初会合を開き、来年の法改正も視野に、年内に提言をまとめる。【村上尊一】