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松島カキ、7割以上死滅 厳しい残暑、少雨原因か

 宮城県松島町内の松島湾で、養殖カキが大量死していることが2日までの県の調査で分かった。厳しい残暑と少雨で海水温度が上昇したのが原因とみられ、全体の7〜8割が死滅したと推定されている。気仙沼、石巻方面など、他の県内産地で同種被害は確認されていない。

 調査は9月21日、県水産技術総合センターなどが湾内8地点で行った。死亡率は場所によって2〜9割と差が出たものの、全地点で被害が確認された。8月に異常は見られず、9月中旬以降に大量死したらしい。
 松島湾の漁場は水深3〜10メートルと浅く、今夏は海水表面温度が平年を2〜4度上回る30度に達していた。県は9月以降も続いた高温と少雨で海水温度が低下せず、夏場の産卵を終えたカキが衰弱したとみている。
 今シーズンの出荷量は平年の2割程度に落ち込む見通し。ことし11月23日には町内で松島産カキを振る舞うイベントが企画されていたが、地元実行委員会は先月末、「収量が確保できない」として急きょ中止を決めた。
 東日本大震災前、松島産カキは県内総量の5%程度に当たる年間230トンが出荷されていた。津波被害は比較的軽く、昨シーズンも200トン近い出荷にこぎつけていた。
 県水産業基盤整備課は「松島産の知名度は高く、石巻など他のカキ産地のけん引役として期待していただけに残念。原因を詳細に分析し、来シーズンに備えたい」としている。


2012年10月03日水曜日


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