また、海自は2011年10月にペルシャ湾で行われた米英共催の掃海訓練に参加し、圧倒的な成果を上げた。このことで、改めて「いざとなれば頼む」という暗黙の認識が生まれたことは想像に難くない。
日本はもっとリアリティーのあるエネルギー論議を
しかし、では「いざ」という時が来た場合に、海自掃海部隊がすぐに出動できるのかと言えば、これもご多聞に漏れず困難な状況だ。
かつてペルシャ湾派遣の法的根拠は、自衛隊法99条「機雷等の除去」であった。停戦合意がなされた後の「遺棄機雷の処分」であるがゆえに可能との見解である。
仮に今般、イランによる海峡封鎖となり海自への機雷処分要請がなされた場合、そこが戦闘地域かどうか、米国をはじめとする他国との協同が集団的自衛権に当たるか否かなどの議論に時間を割かれる可能性は大だ。そんな小田原評定の間に原油輸送のリスクがどんどん高まり、日本経済にも多大なダメージが及ぶことになろう。
繰り返しになるが、事態が起きてからの対処では国防にはならない。現行法でできることや、あるいは特措法で補完すべき点など、入念な準備が不可欠だ。わが掃海部隊を活かせるかどうかは政治にかかっているのだ。
それにしても、日本では真にリアリティーのあるエネルギー論議がなされていないように思える。「そんなことはない」という反論もあるかもしれないが、例えば尖閣問題も領土そのものもさることながら、シーレーン問題として捉える必要があるだろうし、また、「反原発」論争にしても、わが国が現時点で、これほどに不安定なエネルギー輸入国であることに目を瞑ってはならないだろう。確かに、地震大国である日本に多くの原発があることは不安要素だ。しかし、遠く海の向こうの資源だけに国の生殺与奪を任せる不安も同様にある。
今のところ日本はかくのごとく不安定な国であることを自覚し、少しでもそれを軽減すべく措置を急ぐことが必要ではないだろうか。
湾岸の夜明け作戦から20年、自衛隊の国際活動は新たなタームに入っていい頃だ。
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