体はメス、頭部はオス…雌雄同体のクワガタ見つかる
産経新聞 10月3日(水)13時3分配信
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頭部はオスで、体や脚はメスの特徴を持つ雌雄同体のノコギリクワガタ(中央)。左は通常のオス、右がメス(千葉県立成田西陵高校の清水敏夫教諭提供)(写真:産経新聞) |
頭の部分はオスで、体はメスという珍しいクワガタムシが茨城県で見つかり、その標本が6日から千葉県栄町の県立房総のむらで展示される。展示を担当する県立成田西陵高校の地域生物研究部顧問、清水敏夫教諭(40)は「これほどきれいに上下が分かれた雌雄同体のクワガタムシは、国内で初めての発見ではないか」と話している。
展示するのは体長約5センチのノコギリクワガタ。頭部にはオスの特徴である長い大アゴがあり、体の部分は前脚や生殖器などにメスの特徴が見られるという。
今年6月、茨城県立竜ケ崎第一高校2年の平山夏樹君(17)が同県牛久市内の雑木林で見つけ、採集。平山君が知り合いの昆虫専門店に持ち込んだところ、偶然、店に居合わせた清水教諭も生きている状態の実物を見せてもらった。
「染色体異常が原因で左右がオスとメスに分かれたクワガタムシはよくあるが、頭部だけがオスというタイプが実在するとは思っていなかったので、かなり驚いた。一生に一度、出合えるかどうかの珍しい存在」と、清水教諭は興奮気味に話す。
東京都内にある昆虫専門誌の編集部を通して、複数の専門家にみてもらったところ、「生物的にはメスに非常に近く、卵を産む機能もある」との分析結果を得た。今後は専門誌での発表や、図鑑への収録も予定されているという。
この希少なクワガタを多くの人に見てもらおうと、平山君の協力により標本を預かり、清水教諭と部員が昆虫と淡水魚の展示を担当する企画展「むらの自然−里山の暮らしと生きもの」の目玉として初公開する。
展示は6日から11月25日まで。会場では同校地域生物研究部による、県内では絶滅したゲンゴロウの生体や、絶滅危機にあるホトケドジョウ、ナマズなども展示される。
最終更新:10月3日(水)16時49分
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