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「初音ミク」現象が拓く“共感”力の新世界――伊藤博之・石川康晴・猪子寿之 特別対談(4) - 12/10/01 | 12:15


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著作権法からの“解放” 「N次創作」の連鎖

──猪子さんをそれほど感動させた初音ミクはどういうふうに誕生したか。ざっくり紹介してください。

伊藤 07年の8月31日に歌声合成ソフトの初音ミクを発売しました。今年8月31日は5歳の誕生日ということでいろいろなイベントが開かれた。ソフトウエアの発売日を誕生日としてみんなで祝う状況になるとは思ってもいませんでしたが。

 初音ミクのソフトを使ってたくさんの歌が歌われ、パッケージに配したイラストとともに、映像がニコニコ動画やユーチューブなどネットのメディアを通して広がった。それを見た人が音声合成ソフトの存在を知り、また新しい歌を作る。イラストとしての初音ミクもどんどん新しく創作されるという正の循環。

 しかも、媒介するのがネットですから軽々と国境を越える。一方で、初音ミクのコンサートを世界各地で開きました。本当は実在しないバーチャルシンガーが本物の歌手のように人前で歌い、熱狂させる。東京を皮切りにロサンゼルス、シンガポール。この10月には台湾、香港でのコンサートを予定しています。

石川 僕たちは20代、30代というセグメントのトレンドについては敏感に情報を集めています。けれど、正直、最初は初音ミクがよくわからなかった。周辺に面白い人が集まっているな、とぼんやり思っていた程度。ところが、クロスカンパニーの社員の中に初音ミクを深掘りしている人間がいた。興味が湧いて、友人の猪子君に相談したら、彼が「絶対、初音ミク。絶対、初音ミク」と何度も何度も絶叫して(笑)。

──初音ミクの“すごさ”は曲もイラストも動画も、参加者によってどんどん書き換えられていくことです。その“創作の連鎖”を保証するために、伊藤さんの作った仕組みが投稿サイト「ピアプロ」ですね。

伊藤 ええ。著作権は「オール・ライツ・リザーブド」(All rights reserved)だが、ピアプロは「サム・ライツ・リザーブド」(Some rights reserved)という感じ。ピアプロでは、「原作品を利用する場合には作者に、利用しました、と報告し、感謝の意を表する」など規約順守を前提に2次・3次創作を認めています。

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