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「初音ミク」現象が拓く“共感”力の新世界――伊藤博之・石川康晴・猪子寿之 特別対談(1) - 12/10/01 | 12:15


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クリプトン・フューチャー・メディア社長 伊藤博之
クロスカンパニー社長 石川康晴
チームラボ社長 猪子寿之


 「どうせ、オタクが好きなアニメキャラだろ」という程度の認識しかないアナタ、最新トレンドから完全に取り残されている。

 2007年、初音ミクは「歌声合成ソフト」として産声を上げた。開発したのは、札幌に本拠を置くクリプトン・フューチャー・メディア。昨年、ロサンゼルスのノキアシアターでコンサートを開き、グーグルが自らのCMビデオに初音ミクを起用した。同ビデオの再生数は396万回。レディー・ガガの『リトル・モンスター』の4・6倍の再生数だ。

 ミクが急速に“世界化”したのは、なぜか。初音ミクの仕組みを使えば、普通のネットユーザーがクリエーターに変身できるからだ。作曲家にもイラストレーターにも、振付師にも動画作家にもなれる。しかも、“改作”自由にしたため、人から人へ創作がつながっていく。この「N次創作」の過程で取り交わされる「共感」こそ、初音ミクの命である。

 生みの親とそのサポーター、クリプトン伊藤社長(スカイプで参加)、クロスカンパニー石川社長(写真左)、チームラボ猪子社長(同右)が一堂に会した。

──まず、初音ミクの生みの親である伊藤さんに伺います。ズバリ、初音ミクとは、いったい何なのか。

伊藤 毎日毎日、新曲を数十曲歌い続けるシンガーがいる、としたらどうでしょう。そんなことがどうして可能になるのか、と思うでしょう。

 実際、起きているんです。新曲だけではなく、初音ミクをモチーフとして、毎日、ものすごい数のイラストや動画が生まれている。

 その後ろには、ものすごい数のクリエーターがいる。クリエートしたいというモチベーションがある。

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