文楽協会への補助金をめぐり、橋下徹大阪市長と、人形浄瑠璃文楽の技芸員(演者)による公開討論会が3日、大阪市役所であった。文楽側は計82人の技芸員のうち47人が参加。文楽側への補助金の透明化や新たな振興策への協力を求めた橋下氏に対し、技芸員からはルール作りに賛意を示しつつ、伝統芸能への理解を求める声が上がった。橋下氏は会合後、文楽側が改革姿勢を示すことを条件に、今年度分の補助金については凍結を解除する意向を示した。
討論会は、市の今年度予算に協会への補助金3900万円を計上していることを踏まえ、橋下氏が「税投入の妥当性を考えるために意見交換したい」と開催を要望。協会は当初、公開討論に難色を示したが、橋下氏が「応じないなら補助金を凍結する」と通告。9月18日に技芸員団体が総会で開催に応じることを決め、協会も承諾した。
橋下氏は討論会の冒頭で、「補助金は税であり、使い方の『見える化』が必要」と指摘。「文楽に補助金が必要なことは承知している」としたうえで、ルール作りを提案した。