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文科省 群馬の学校法人に解散命令へ
10月3日 20時45分

文科省 群馬の学校法人に解散命令へ
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群馬県高崎市の「創造学園大学」などを運営する学校法人が、学校経営に必要な財産を持たないなど法律に違反しているとして、文部科学省は、学校法人に解散命令を出す方針を固め、3日、関係者を呼んで意見を聞く「聴聞」の手続きを行いました。

意見を聞かれたのは群馬県高崎市に本部がある学校法人「堀越学園」の大島孝夫理事長や教職員など合わせて13人です。
文部科学省によりますと、この学校法人は学校経営に必要な財産などを持たず、決算書類を作成していないうえ、教職員に賃金を支払っていないなど、5つの点で法律に違反しているとしています。
これまで重ねて文書で指導したものの改善が見られないとして、文部科学省は学校法人に対し私立学校法に基づく解散命令を出す方針を固め、3日、「聴聞」の手続きを非公開で行いました。終了後、大島理事長は「経営を支援してくれる2つのグループがあるので、文部科学省には、在籍している学生を卒業させ、学園として生き残りたいと伝えた」と述べました。
文部科学省は今後、審議会に諮って結論を出すことにしていて、解散命令が出されると、この学校法人が運営する大学や専門学校、幼稚園などに在籍するおよそ500人の受け入れ先の確保が課題となります。

トラブル相次ぐ

群馬県高崎市にある「堀越学園」は昭和41年に設立され、音楽や芸術、社会福祉を学ぶ「創造学園大学」のほか、医療技術などの専門学校や幼稚園など、合わせて5つの教育機関を運営しています。文部科学省によりますと、ことし8月の時点で、およそ480人の学生や園児が在籍しているということです。
この学校法人では、経営が悪化するなか、トラブルが相次いでいます。
大学設置のため9年前に国に提出した財務書類で、法人が抱える負債を実際よりも少なく見せかけていたことが、おととし判明し処分を受けるなど、運営を巡って文部科学省による指導を繰り返し受けています。
また、群馬県や関係者によりますと、大学では5年前から教職員への給料の支払いがたびたび遅れ、中には、去年9月から1年以上、給料が支払われていない教職員もいるということです。
この学校法人の運営を巡っては、新旧の経営陣の間で経営権を巡る争いが表面化し、3日に行われた聴聞では双方から意見の聞き取りが行われました。

理事長“解散は待ってほしい”

聴聞に出席した堀越学園の大島孝夫理事長は「解散は待ってほしいと文部科学省に伝えた。当局の確たる回答はなかったが、理解してもらえたと思っている。今は具体的には言えないが、今後は2つのグループが支援してくれる方向で、新たな資金を導入し、今、通っている学生を卒業させ、学園として生き残りたい」と話していました。

組合委員長“解散命令に反対した”

堀越学園の教職員組合の執行委員長を務めている男性は「聴聞ではこの大学でないと通えない学生がいることや、学校の再建を信じて無給で頑張ってきた教職員がいることを訴え、解散命令に反対しました。経営側が資金繰りをどう行っていくのか注目していきたい」と話していました。

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