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【あの人は今こうしている】

三沢光晴や小橋建太と死闘を演じた“デンジャラスK”川田利明さん

【芸能】

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2012年6月11日 掲載

「引退してから現役に戻る選手が多いでしょ。それってウソつきじゃない?」

<川田利明さん>

 ジャイアント馬場が率いた全日本プロレスで活躍した川田利明さん。三沢光晴や小橋建太とファンの記憶に残る死闘を繰り広げ、“名勝負製造機”の尊称を奉られる一方、激しいファイトから“デンジャラスK”とも呼ばれた。しかし、2010年4月以来、リングに上がってない。今どうしているのか。

 会ったのは世田谷区砧にある自宅に近い居酒屋。川田さん、約束の午後8時に少し遅れて店に飛び込んできた。
「一昨年6月に小田急線成城学園前駅近くの世田谷通り沿いに『俺の王道ダイニング 麺ジャラスK』って居酒屋を開いてね。今日は定休日なんだけど、明日から出す予定の新メニューがあって、その仕入れに飛び回ってたら時間がかかってしまった。いや、申し訳ない」
 飲食業はプロレスラー時代からの憧れだったとか。
「日本全国を転戦しながら、その土地土地のうまいモンを食べてきたからね。いつか自分の店を持ちたいと思ってて、本格的に準備を始めたのは4年くらい前かな。ハッスルがなくなり、無所属で新日本プロレスやノアのリングに上がってた頃に、高円寺にある知り合いの中華料理店で料理のイロハを教えてもらったんだ。最初のうちは赤字でも仕方ないと覚悟して始めたけど、ず~っと赤字だなあ、ハハハ」
 店はマンションの1階。客席はカウンターとテーブル合わせて14。注文を取る女の子が1人いるだけ。厨房はすべて川田さんが受け持つ。

「夕方6時の開店に合わせ、昼過ぎから仕込みを始める。最初のうちは慣れなくて、どうしても調理に時間がかかっちゃって。夫婦で来て、奥さんの空揚げと麺類は来たのに、ダンナさん注文の料理が遅れて、こんなの払わなくてもいいんだ、と怒って帰ってしまったこともある。それでも大事なお客さんだから、我慢しないとね」
 おつまみ類は380円均一。カレーと味噌をベースに数多くの食材を使ったウマカラ味のタレが自慢の麺料理850円(川田さんいわく、「ラーメンじゃない」)がオススメだ。
 82年、アマレスの名門、足利工大付属高校から全日本プロレスに進んだ川田さんは205連敗を記録するなど弱小レスラーでしかなかったが、88年、天龍源一郎とタッグを組んだ際、プロレスに開眼したという。
「スタン・ハンセン&テリー組と戦ったときよ。オレたちの一挙手一投足に観客が沸くんだ。お客さんの盛り上がりによって実力以上のパフォーマンスが発揮できるのを初めて知ったね」
 その後は“名勝負製造機”“デンジャラスK”と呼ばれ、三沢光晴や小橋建太と激しいファイトを展開。戦いの場を「ハッスル」に移してからは「モンスターK」なるキャラクターで活躍した。 今年はデビュー30周年になる。
「もう2年以上、リングに上がってないけど、引退とは言ってないよ。引退してから現役に戻る選手が多いでしょ。それってウソつきじゃない? それが嫌で引退宣言しないわけ。とはいっても、戻るつもりはないし、戻れる体調でもない。プロレスやってた頃と比べると体重は20キロ近く落ち、トレーニングできる状態じゃないからね。お客さんをガッカリさせたくないし、30周年のイベントの予定もないよ」
~2012年6月11日以前の記事~

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