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2012-10-02 逃げろ、そして生き延びろ このエントリーのブックマークコメント

頓智ドットを退職した|@suniのブログニートですが?」

http://sunikang.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

こういう話は本当に胸が痛む。

30代女性、過労とストレスにより休職そのまま退職。わたしも同じ状況を経験したからです。最近やっとそのことについて言葉に出来るようになってきたので備忘。


最初に「おかしい」と思ったのは胃痛でした。真っ直ぐに座っていられないほどの鋭い痛み、吐き気目眩。勤務中に30分ほど中抜けして一番近くにあった胃腸科に駆け込み、すぐ胃カメラの予約を取りました。

写真で見た自分の胃の中は出血して凝固してまた出血してを繰り返しているそうでところどころ茶色くなっていました。


診断書を持って業務量の調整を申請しましたがベンチャー企業ゆえの人員不足ということもあり、鎮痛剤を飲みながら騙し騙し勤務を続けていた、ある雨の降る肌寒い日に、本当に急に、「スイッチがオフになった」ような感じで身体が動かなくなりました。


同時に声も出なくなり、心療内科胃腸科へ。

両方からドクターストップが出て、初めて休職することが出来ました。同じ頃に婦人科の不調も発覚したので、これはダメだと思いそのまま退職。その後あれやこれやあり現在に至りますが、今思い返しても「あのとき無理に休んでしまえば」「もっと早くにこうすれば」と悔やむことばかりです。


もちろんオーバーワークになるほど楽しい仕事、尊敬できるメンバーと働けた時間や、新しいことに挑戦できる興奮、出来なかったことが出来るようになる達成感、たくさんの素晴らしい経験をすることができました。


一方翻って現在、どうだったか、また同じ経験をしたいかと問われたらおそらくNOです。


身体や心は壊れても修復できます。確かに。

でも、それは途方も無い時間が必要で、生き地獄でした。このまま回復しないのではないか、結局自分はダメな人間だったのではないか、言い訳をして逃げただけなのではないか。

希望絶望は差し引きゼロ」という言葉がありましたが、まさにその通りで、望んで得たプラスと同じだけのマイナスを引き受けられる度量が、わたしにはありませんでした。


治療を続け、カウンセリングも受けました。

「なぜわたしは過剰な労働を自ら引き受けてしまったのか」

「なぜわたしは自分時間犠牲にして仕事をやり遂げようとしていたのか」

プロの手を借りて、自分の中にあった疑問をひとつずつ解消し、なんとなく光が見えてきたとき、カウンセラーにもらった言葉があります。

「あなたを大切にしない人のことを、あなたが大切にする必要はない」


わたしは自己評価が低く、同時に完璧主義者なこともあり、自分仕事に対して、常に自分で批判的でした。

120%の力を出して仕上げた仕事でも、もっとできたのではないか、もっとこうすべきだったのではないか、そんなことばかり考えていました。

自分仕事に100%の自信が持てない」そのために自分時間をつぎ込んで、補填しようとしていたのです。裏を返せば、「わたしはもっとできるはず」といううぬぼれが招いた、自業自得の事態でした。


仕事私生活のバランスを誤るというのは、20代の早い時期に経験すべき挫折だったのかもしれません。

でも、わたしの身に起きたのは30代の半ばも見えてきた頃で、夢見ていた未来のうち決して軽くない事柄を諦めなければいけないほど、取り返しの付かない状態でした。正直に言えば、今でも、「あのときに」「あのときなら」と、後悔し続けています。


がむしゃらに働く楽しさも知っています。

でも同時に、視野狭窄に陥り、一歩も踏み外せない恐怖も覚えています。

また「踏み外して」しまって、絶望的に真っ暗な谷底に落ちたような、ぞっとする気持ちも忘れられません。


あと10年もしたら、「ああ、みんなそういうの経験するよね」と笑えるのかもしれません。

夢中になっている当事者にいくらネガティブなことを伝えたところで、耳に入らないこともよく分かっています。


それでも、もし、迷ったり悩んだりしたとき。

現状が続くことで自分未来が損なわれるかもしれないと感じたときには、顔を上げてまわりを見渡して、一目散に逃げ出してください。誰に何を言われたって、あなた自身の人生です。自分のことを大切にしてくれない会社に、あなたの時間を、人生を賭ける必要はありません。


逃げ出すのは怖いし、不安もあります。現状をやり過ごせばなんとかなるかもしれない。そう思えるならそれでもいいです。でも、もし「ダメかもしれない」と思ったら、すぐに逃げ出してください。死ななければ、身体さえ健康であれば、そこからまた組み立てればいいんです。


弱くたってみっともなくたって、あなたの生き方を責められる人なんていません。

死なないために逃げ出して、そして、生き延びてください。

shuyoshuyo 2012/10/03 12:30 休まないことが美徳 という価値観は根強いですね。
日本人は勤勉 というと聞こえはいいけど
これからの社会を考えると危険なような

花 2012/10/03 14:09 はじめまして。ツイッター経由で辿ってきました。
私も30代半ばに、全く同じ経験をしました。
違うところは、私が勤めていたのが創業45年のその業界では老舗の会社で
私の性格が「自己批判的ではない」というところでしょうか。。。

精神的にダメになってしまったことは実は2回目でした。
でも、この時は重症でした・・・。

自分が思ったよりも、治るまでに時間がかかっています。
今もまだ引きずっています。

でも生きています。
就活中で、退職理由告げるとなかなか採用にはなりませんが。
こういう状況で仕事を辞めざるを得ない人がたくさんいることを
世の中の企業のトップの方々に知って頂きたいと思います。

arapyarapy 2012/10/03 15:16 40代で経験しました。幸か不幸か休職して復職。逃げ出しきれずに今もズルズルおります。同じような境遇の方の存在が拠り所です。