(2012年9月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
「非常に強力な磁石です。4フィート離れてください」。米ミシガン州アナーバーにあるダノテックの工場に足を踏み入れると、こんな標識が掲げられている。
この警告サインは、ここで開発されている強力な技術を表すものだ。ダノテックは、コストを削減し、風力の信頼性を高めるためにタービンメーカー向けに販売する永久磁石発電機を開発しているのだ。
世界第2位の市場に異変
風力発電では、米国は中国に次ぐ世界第2位の市場〔AFPBB News〕
同社はまさにオバマ政権が、新たに誕生して、米国の伝統産業の衰退が遺す隙間を埋めてくれると期待していたような再生可能エネルギー企業だ。
しかし、ダノテックは不確実な将来に直面している。たとえ国内市場の大半が消滅したとしても、輸出売り上げで会社はやっていけるはずだが、最高経営責任者(CEO)のドン・ナーブ氏は、発電税額控除(PTC)に対する脅威が既に世界のメーカーに影響を与えていると言う。
「ヴェスタスやシーメンス、ガメサでは、PTCを巡る疑問が会社の成長予想に影響を及ぼしている」とナーブ氏。「この問題は、経費や投資にいくらかけるか、どんなペースで新製品を投入するかといった判断に影響する」
世界最大の風力市場は中国だが、国内産業が発達するにつれて、外国企業にとっては次第に難しい市場になっている。米国はその中国に次ぐ世界第2位の風力市場だ。昨年は、設置された発電容量で、中国国外におけるすべての風力投資の28%を米国が占めた。
米国市場は急成長している。調査会社IHSによると、今年は約12.5ギガワット(GW)の発電容量が設置される見込みで、これまでの最高記録だった2009年の10GWを上回る。
活況は崩壊の前触れか?
そして、崩壊に先立って起きるのが熱狂的な活動だ。
米国市場はPTCに依存してきた。PTCは1992年に導入された税額控除で、それ以来、断続的に実施されてきたが、2005年以降は継続的に利用可能になっている。その間、米国産業は大ブームに沸き、現在送電網につながっている風力発電設備の総容量の約85%を設置してきた。
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