うーん、難しいですけれど、どちらかといえば振り回されるのに興味がありますね。
上手に手のひらの上で転がされたいですね(笑)。思わせぶりな態度を取られて、いけると確信してアプローチしたら突っぱねられる、みたいなことを繰り返されるとか。
いただいた役柄ひとつひとつと丁寧に向き合って、いつも全力でぶつかっていきたい。それだけですね。今でいうと、まもなく幕が開く長塚圭史さん演出の「浮標(ぶい)」いう舞台。日中戦争の影が忍び寄る時代に生きた市井の人々を描く三好十郎さん作の戯曲で、僕は26歳の利男という役を演じさせていただくんですが、当時の口語でセリフを言うのが本当に難しい。つい、早口になってしまうんです。本番までにいかに利男になりきれるか。今はそこに集中したいし、将来もこの作業を丁寧に、そして真摯(しんし)に続けていくだけだと思っています。