宮城さんの発表は私が化学肥料、農薬を使ってひどい目に遭い、それから微生物を研究するようになったという背景とよく似ています。 彼は大学で獣医の勉強をされているわけですから当然ながら近代的な養鶏、または畜産でスタートした訳です。しかし結果的には自己発生的にチャンスが与えられたのですね。 私の場合も実験がもうだめだと思っている時に様々な微生物を混ぜて捨てたものがうまくいったんです。宮城さんの場合には病気をして休んだ時から変わってきた。この変わってきたチャンスを、そんなばかなと言わずにしっかりと押さえ、またそういう事を気付かせてくれる事がEMであり、EM的行動であると理解して頂ければと思います。 彼の話を聞いてさもありなんと思ったのは、通常は平飼いをすると鶏舎内にコクシジュームという寄生虫が増え、衛生状態が悪くなるという事です。続けていくと色々な問題があります。しかしそれがなくなってきて、鶏に害を及ぼすと考えられていた鶏糞の厚い層が温度、湿度の調節もする、病気も無くすという、要するにEMの抗酸化物質が鶏糞を通して、或いはそこの材料を通してどんどん蓄積されて環境を変えてしまった。鶏の性質を変えてしまい、その上宮城さんの性質まで変えてしまったという仕組なのです。今迄には、そういう意味での発表はございませんでした。EMを使うと、きれいに掃除をしてまた薬をまくというやり方ではなくて、次第に増えていったEMの持つ抗酸化物質が充満する、従来の常識と全く逆の事をやっても凄い結果が出るという事ですね。 それと宮城さんが気付かれている、鶏が鶏らしくなっているという点。私の方でも鶏を使ってEM-Xの実験をやると、その鶏は本当に頭が良くなるんです。餌箱をぱっと自分の前に出したり、次の動作を受けてやるとか、人間とコミニュケーションを展開してくれる。そのうちに自然も動物も全て長所を出し合い、分かち合うようになるんじゃないか、EMの力を蓄積していくと良い意味で大変な事が起こる事を教えて頂きました。 【地元の町の生ゴミは、地元の施設製造のボカシで処理しよう!】 それからアットホームめむろの勝俣さんの報告ですが、一つの施設がそれぞれの職員を含め、また行政を含め、町を良くしていきたいといった時に、EMボカシづくりに取り組む事で、町の環境運動を大きく変えていったとの内容でした。この成功の流れをずっと見ていくと結局、行政も町の人も施設の人達も皆が呼吸を合わせて、それを増幅しながら積み上げて、町の人の意識までも変えていったという継続性、忍耐強さが大事であるということになります。 また冬になったら畑が凍って作物を作れない、それならその間に肥料を作りましょうという、いろんな発想が盛り込まれて、先程の鶏の話のようにEM効果が物理的ではなくて精神的にも社会的にも積み上げられて熟成していったという報告を頂きました。 それと同時に、地元のマスコミの協力も非常に大きいです。またアットホームめむろ自体の広報紙をフルに活用しておられますね。 町長さん自らもこの作業に入っています。またアットホームめむろの単品の売り上げの中ではEMボカシがトップで、施設自体の収益、収入も高まって施設に尋ねて来る人も増えてきました。そして施設にはお店を作っていろんなコミニュケーションの工夫をしています。EMボカシをやっていてなかなか成果が上がらないなと思っている所は、今お話した事を確認しながら地域の皆さんに一人でも多くの協力を得ることが大切です。その結果、地域に入っていくというような事をシステム化して頂ければ今一つの鍵が開くのではないかと考えて聞いておりました。 【今日の環境の人間社会へ及ぼす影響】 ウスマニさんの発表では、環境と健康がリンクしていて現在の世界全体の直面した環境問題を提案したいという事でした。これは全て私たちが認識している事と同じです。こういう閉塞状態の問題をどう解決していくかというのは、いつもお話ししているようにEMを使うとほとんど解決されるという事をいろんな形で学習して頂きたいと思います。 【EMボカシとの出会いと取り組み】 最後の白籏さんと飯沼さんの発表も、地域ボランティアがどうあるべきかを楽しみながら学び、また学びながらまた新しい情報を作り、そして皆が成長しながら和を広げて行く為のポイントは何かという事を教えて頂きました。 これは中核になっているボランティアの人達の、社会を良くしていきたいという使命感と同時に、それが喜びとなって返って来るということですね。ちょっと問題があると皆で知恵を出し合い、さらに良いEMボカシを作るために奥村さんにお願いをしたりいろんな事をやっていく。これは先程のお話の中の諏訪さんが熱心に長野県を指導頂いて、中核的な方々が増えて来るという事がこの大きなボカシ運動につながったんではないかと思います。ご報告いただいたような形になりますと社会の必要不可欠の要素として定着をしていくようになります。 このような形でEM運動が広く定着していくよう期待しています。 |
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