EMフェスタ97 > ミニセミナー

抗酸化物質入門
講師●佐藤 信幸  EM研究機構 日本大学理工学研究所客員教授


会場全景
 生物がこの地球上で、生きてい く上で欠くことの出来ない酸素。ところが、この酸素が金属の錆、動・植物の腐敗、劣化、老化を起こす要因となっている。では、酸化を防止する「抗酸化物質」とは何だろう。EM研究機構の佐藤さんが、約40分の持ち時間をフルに活用、パネルを用いて丁寧な説明を繰り広げた。他の7つのミニセミナーと異なり、その雰囲気は大学の講義に似通ったものが感じられた。
 47億年前に始まる地球の歴史に触れた佐藤さん。微生物から植物、人類の共通の部分を取り上げセミナーに入っていった。『受講者』の一人ひとりに視線を投じながら、静かに語りかける。
 ラジカルとは何か。  本来存在すべき電子が失って不安定になり、失った電子を補うために、他の物質から過激に電子を奪いたがる状態を総称して言う。活性酸素もラジカルの一つで、酸素の中の電子が逃げ出して、不安定となり、過激な酸素になる状態である。
 活性酸素(フリーラジカル)は、酸化させることによって生物の細胞や組織を傷つける。それによってラジカル化した細胞膜は、細胞内の遺伝子(DNA)を攻撃しガンなどの突然変異を誘発する怖いものである。
 生体内における、この対策には、SOD(スーパーオキサイトジスムターゼ=活性酸素除去酵素)という酵素の活性化が必要である。EM-Xに含まれている抗酸化物質によって、酵素が活性化し機能が向上する。
 では、EM-Xの抗酸化物質とはどのようなものか。
1、 フラボノイド類化合物(作用効果として活性酸素のトラップなどスカベンジャー効果が期待される)
・大部分は糖類の結合した配糖体としてアグリコーン(母核化化合物)とグルコース やラムノースなどの糖が結合している状態
・EM-Xでの含有量は決して多くないが、フリーラジカル(酸化作用の要因)の消去に作用。さらに抗菌活性作用も期待される。
2、 サポニン(トリテルペン化合物の配糖体)は植物に多く含有されているトリテルペン に糖が結合した物質 ・薬用ニンジンのサポニンが有名だが、多くの植物にも含有されている。ラジカルの不対電子の消去作用などの抗酸化作用を示す
3、 光合成栄養組菌由来のユビキノンもEM-Xに含有されている。生体系の電子伝達系 で重要な役割を果たす。生体内の酵素系と反応して強い抗酸化作用を示す
4、 ビタミンEであるα、β、γ、δ、トコフェロールが検出された。ビタミンEは食用油の酸化防止作用が知られ、生体膜由来の不飽和脂肪酸を酸化防止するものと受け止められている。さらにビタミンはトコフエロールの過酸化脂質抑制時に不足する電子を供与する作用もします。ガンマーオリザノールも米ぬかに多量に含有されている抗酸化物質だが、EMにも含有されている。  電子伝達系回路と解糖系回路から全体に必要なエネルギー(ATP)を作るとき、フリーラジカルも作られる。それを抑える物質がEMには含まれている。また、40種類の金属ミネラルをも含有。人間も植物も、温和な状態で活性酸素を取り除くことが出来る。電子伝達系、神経の働きが良くなる。
 水の分子のクラスターを小さくする働きがある。  間接的な測定方法だが、分子振動分析法によると、水道水は130メガヘルツだが、EM-Xはその半分の75メガヘルツだ。
 クラスターが小さくなる結果、生物体の養分吸収能力を向上させる。さらに電気伝導率も向上する。  EM-Xを身の周りの食べ物に用いるとどうなるか。
 パンやスポンジケーキをソフトに仕上げる、ご飯の日持ちがよくなる、レモン果汁の酸化防止、マヨネーズがマイルドになる、―などの効果がある。

一語一語丁寧に抗酸化物質について語る佐藤氏。
 かなり専門的用語が飛びかったセミナーだったが、来場者の一人が「EM-Xを飲用しているが、病状回復とEM-Xの関係は」と質問。佐藤さんは「病状回復に大きく貢献していると思いますが、あなた自身はどう受け止めていますか」と尋ね、EM-Xは約100種類ほどの化合物のうち約40種ほどの抗酸化物質が相乗効果をなしていて、比較的毒性が少ない―ことを説明した。
 その他「抗酸化作用は自然の中で起きるのか」「抗酸化作用は還元だけで、酸化はないのか」「食品の中にどういう成分が含まれているのか」などの質問も寄せられた。