EMでより良い
生活環境を |
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講師●仲宗根恵美子、比嘉文子(ほか5人)
セミナーの時間帯に関らず、こ のコーナーには多くの人が立ち寄り生ゴミぼかしの密閉バケツを覗きこんだり、作り方の質問を浴びせる。97EMフェスタの2日間、ずっと通して、セミナーを開いたようなものだった。身近な生ゴミ対策に、多くの人が関心を持っていることを示してくれた。 「EMぼかしづくりとその応用―家庭における応用法―」の副題がついたセミナー。講師の仲宗根さんや比嘉さんらは、数年前から沖縄県は沖縄市や北谷町でEMぼかしづくりの講習・普及に務め、実生活で活用している面々だ。パワーあふれる“フツウのおばさん”たちのセミナーをリポートしたい。 「EMの7人」は何よりも気さくである。そして、あふれる情熱の持ち主だ。場内アナウンスでセミナーの紹介が流れると、準備されたイスはたちまち埋まり、立ち見がその倍の人数に。 「そんなに難しいものじゃないよ」。トレパンにTシャツ姿で、気さくに語りかける。手づくりの説明書を配るが、とても全員には行き渡らないほどだ。説明書に沿って、30KgのEMぼかしの作り方の説明から始まった。
「簡単でしょ。ポイントはよく練り上げること。米糠にも種類があるので、サラッとしたものを準備することですよ。糖蜜はEMの餌ですから、忘れたら駄目」と歯切れが良い。「完成の良し悪しは、甘酸っぱい発酵臭があればOK。ただの酸っぱいだけの腐敗臭であれば失敗です」「完成後はなるべく早く使うこと。保存するときは密封しておくと1年間は持つ。良い匂いが続いていれば菌は生きていますから」 こう説明する間にも、他のメンバーが床に敷かれたブルーシートに米糠の袋から取りだし、手際良く押し広げる。さらに、ビニール袋に詰めたEMぼかしを会場に回す。手に取り、感触や匂いを嗅ぐ人々。うなずき納得する顔が場内に広がる。身近にEMを実感するひと時だ。 「さぁー皆さん、どうぞ」の声に促され、10人近い人がブルーシートを取り囲み、米糠に手を入れる。その上から、混合液が掛けられる。時折「丁寧に揉みほぐして下さいよ」とアドバイスが飛ぶ。まるで砂遊びをしているように、楽しそうだ。 十数分揉みほぐした後、「これで良いでしょう」の声が掛かり、出来上がったばかりのEMぼかしがビニール袋に詰めこまれる。参加者へのお土産だ。あちこちから手が延びるが、これも説明書同様、瞬く間に無くなってしまった。
講師の一人、渡慶次キヨさん=北谷町=は「容器を買ったけれども説明書だけ渡され、水の量や発酵期間など丁寧に教えてくれない店が案外多いのよ。また、本は内地を基準に書いてあるからね。沖縄は湿気が多いから、本の通りにいかずに私たちも何度も失敗したよ。やる内にね、EMが自然に教えてくれるさ」と明るく笑った。 麹のように、ぼかしの温度が風呂の湯加減のようになるから、出来ればセメントの上で冷やしてから紙袋で保存した方が良いよ―と付け加えた。 |
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