|
教育環境における
EMの果たす役割 |
||||||
|
教育分科会 高橋氏が勤める成田市立向台小学校。同校は平成7年度と8年度、千葉県と同市教育委員会指定の環境学習推進拠点校になった。 2年1組は「一人一鉢栽培をしよう ―EMバケツの力で花をいっぱいさかせよう―」を活動テーマに、花つくりにEMを生かそうと、全員でぼかし作りをした。 毎日残る給食の残菜にEMを混ぜ、土中に埋めて約1ヵ月経つと、埋めるとき臭かったものが、臭いが取れて素晴らしい土本来の匂いになっていた。そこにパンジーを植えたところ、ものすごい花を咲かせた。 現在3年生の本郷まゆみさんは、2年の時の実験を「EMの魔法」と題して作文に。 「きれいな花を咲かす。おいしい野菜を作ってくれる。普通の土でつくったサルビアと比べるとまったく違う。EMって魔法だ。自然のある町は、EMがいっぱいの町」(要旨) 本郷さんの朗読する声が会場に広がり、詰め掛けた参加者はしきりにうなづいていた。 さらに、高橋氏は学校に来る客は「花がきれいだ」と驚く。色がきれいだし、生き生きしていると…。トイレも臭わなくなった。また、校長は来客者や商店街にぼかしをどんどんプレゼント。個人的だが、EMが町に広がりつつあるのを実感する―と報告した。 約50坪の学校農園で土づくりに。まず、3年生全員にEMで生ゴミを処理するための密閉バケツを配り、家庭でのEM生ゴミ肥料作りが始まった。 生徒は「何だか面白い」と反応を示した。家庭での生ゴミを処理するということで、母親の協力が不可欠だった。初めの内は失敗もあり、母親も「臭い」とのことだったが、今では楽しくやっている。 砂混じりの土質の農園に生ゴミ肥料をいれて、トウモロコシ栽培に取り組んだ。その結果、生長が早く大きく育ち、お店で売っているものよりおいしい―と生徒含め、私自身が感激したと目を輝かせた。 このことから、磯部氏は「密閉バケツを国が支給すれば、日本の生ゴミが無くなるのではないか」と提案。EM利用のポイントは「生活化することで、いつしか環境も良くなる」とも。「子供たちに与えるインパクトが強くなり、未来に明るい夢を与えている」と報告を締めくくった。 最後に、校長の工藤正義氏が青森県の浪岡町と十和田市の2小学校での取り組みを紹介した。 工藤氏は平成6年、南津軽郡の浪岡中学校で校長をしていた成田清一氏に紹介されたのが、EMとの出合い。 工藤氏にとって、見えないEMを子供や教諭にどう理解させるかが難題だった。それで自宅をモニターとして、残飯処理に取り組んだ。以来、いつの間にか「EM校長」との異名をもらった。 何度か失敗もあったが、EM処理をするようになってから家庭から残飯が無くなった。その結果をもって、教育委員会や公民館に飛び込んでPR。そして、学校でもEMを使ったらどうなるかを試したところ、インフルエンザにかかる子供が少なくなった。 その後、現在の十和田東小学校に転任。初印象は「臭い」ということだった。鶏や孔雀バトなどの小動物の飼育小屋が臭いの元だった。飼育小屋の床にぼかしを10センチ敷いたところ、10日で悪臭は解決。その後は1年間掃除しなくともきれいだ。 また、鶏の卵は「軟らかくてつぶれやすく汚い」と子供に不人気だったが、EMを餌に入れることで殻の硬い卵に変わった。水槽や池でも実験、結果は想像以上だった。 ぼかしはいつでも気軽にやれるということが良い。PTAに1回教えただけで、後は地域を巻きこんでのぼかし作りが定期的に開かれている。EMは環境教育に果てしない格好の教材だ。面倒臭いようだが、簡単だ。要はやる気。EMは生き物なので、かわいがれば良くなる―と強調した。 そして、3氏はEM活用の夢は限りない。いくら素晴らしい物でも伝えないと意味がない。比嘉教授夫人はロサンゼルスの日本人学校の取り組みを紹介し、「楽しくやることが原点のように思う」と語った。 |
||||||
|
|
||||||