EMフェスタ97 > 比嘉照夫総括2
 
  比嘉照夫教授 総括[2]  
 
 まず今日発表いただいた方々のコメントから始めたいんですが、実は私はミスをしておりました。今回の大会への参加は12カ国と昨日申し上げましたが、実は韓国、台湾、中国、タイ、シンガポール、オランダ、スペイン、イタリア、アフリカのマリ共和国、南アフリカ連邦、コスタリカ、インドネシア、ベラルーシ、フィリピン、ドイツ、ロシア、デンマークとそして日本、アメリカを含めて19カ国がこの大会に参加しております。
 昨日から分科会、そして全体の発表会と大変なハードスケジュールにも関わらず、各分科会も満席で、一つのEMという課題でこれだけのコンベンションホールをフルに使うということで、EMの成長ぶり、EMの本当の力を改めて再確認をさせていただきました。

『中華人民共和国のEM普及状況』
 今日午後から始まりました上村君の発表は、途中で端折ってありました。国際会議の時にはビデオでたくさんの事例を出していただいたんです。
 中国で行う予定だった第5回自然農法国際会議は、中国農業大学の一方的な都合で中国で開催できなくなりまして、急遽バンコク・タイの方へ移しました。これはEMグループがいかに実力があったかという一つの証明です。
 もう2週間も前に迫って大会ができなくなったときは、だいたい中止か延期かということになります。しかし、この大会にはエジプトの農務長官や、パキスタンの農務長官をはじめとして、国の要人が4人ぐらい参加を予定しておられました。
 そういう方々は、1年ぐらい前から予約を取らないと参加できないんです。それから中国側も発表論文が60課題ぐらいあったんです。それでこれは止めるわけにはいかないということです。
 先ほどから『アプナン』という言葉が出ております。これは『アジア・パシフィック・ナチュナル・アグリカルチャー・ネットワーク』という、アジア太平洋自然農業ネットワーク委員会という組織の本部がバンコクにありまして、私が会長を努めているわけです。そっちの方に4人ぐらい常駐しておりまして、彼等と中国の国際会議の準備チームと連携を取りまして、タイでこの大会を無事に終らせることができました。
 中止の原因は大学の都合なので、その後私の方に中国政府、また要人の方々から、私が憤慨して中国からEMを引き上げるんじゃないかという心配をして、EMを引上げないでほしいと、是非中国農業のために役立ててほしいと、そういうことでした。
 先方では、原因は日本側にあると、私たちが宗教活動をしているからだという誤解が大きな根底なんですが、これはもうとんでもない言いがかりでして、 後で北朝鮮のお話をいたしますが、北朝鮮、それからイスラム社会主義の国、共産主義の国、キリストの国、仏教の国、あらゆる国を私たちはイデオロギー、宗教を越えて支援をしてきましたし、宗教という道具も一つも持っておりません。未来の社会をどうするかというところから始まったんです。
 しかしこれは日本国内にEMに対する反EMキャンペーンを張っているグループからの話が大きな誤解の元になっているということが分かりましたので、私自身が中国を叩くというわけにはいかなくなったんですね。それで今年の第5回国際会議の分科会を遅れ馳せながら98年の9月頃にもう一度中国でやろうということで、現在決着の方向へ進んでいます。
 先ほど上村君が説明しましたように、あのシルクロードの起点の張掖、蘭州、この地区の成果というのはものすごい成果が出ておりますし、内モンゴルの緑化対策も相当な勢いで進んでおります。
 地球環境の問題を考えたり、炭酸ガスとかいいますとどうしても緑を多くして炭酸ガスを資源として回収しなければなりません。そういう意味では、中国の発展のあり方が今後大きな環境問題の解決というところにつながっていきますので、これはもう一度整理をし直してさらに進めていこうとそう考えております。

『デンマ−ク、ヨーロッパ
     におけるEM普及活動』 
 それからエリックさんのデンマーク、ヨーロッパにおけるEM普及活動、ここでやはり注目すべきは、PRRSですね、要するにこれもHIV、レトロウィルスですね。言葉としては誤解がありそうですが、豚のエイズなんです。
 これを普通のEM1号を500倍で飲ますことによって、ほとんど止まるという。
 私がタイのエイズプロジェクトを最初に気がついたのは、普通のEMで下痢を止めたり何かできるという所からエイズ患者の人が飲んでもいいのかと言われて、いやそれは大丈夫だというところからきっかけが出来上がったんです。
 ですから、もうEM1号を500 倍ぐらいで飲ますと、だいたい動物の病気は治ってしまう。しかし、これだけではどうしても心配だということであれば、昨日お話しましたように、遺伝子を健全にするわけですから、生まれて何日か経ったらEM−Xの注射をしてくれると、もうほとんど発生しないということになるんです。
 ですから、この療法を考えてみなければいけないんですが、デンマークは例のとおりポークランチョンミートと言いますか有名な豚の生産地で、2,200 万頭と言いますから大変な数字です。もう国中が豚の糞で大変な状況なんです。とても家畜の病気に対して気を使っておりますけれども、EMによって劇的な成果がたくさん報告されております。
 それからもう一つ大事なことを言い忘れました。動物愛護を含めてですね、すべてのものが共存的にやっていくという考え、要するに動物を捕まえてわざわざ病気にしてEMの効果を確かめるというのは、私自身もこれはナンセンスだと思っているんです。植物の場合も同じなんですね。
 もう現在は、この物質が良いか悪いかというのは、すべてMRAとかLFAで計ってチェックできるわけです。ですから本当に良い物を私たちが実験する前に確認をして、そして波動の高いものをやって、そして植物が元気になり、動物が元気になり、魚が元気になりという要素を見ながら、ああこういうふうにしたらみんなうまくいくなというふうな実験の方法にしないとですね、病気に罹らせてこうしてこうしてこうしてという闘いの論理では何一つ生まれてこないんです。要するに悪い菌を殺してしまえとかいう形では絶対にうまくいかないと。ですからスタンスがまるきっり違うものですから、従来の科学者には受け入れられない。こういうことです。
 しかし実際には、今私が言ったようなことであれば誰でもそこへ参入し、自分の責任でノウハウを開発して、そしてどんどん人のために役に立っていけるという、この大自然すべてを含めたハーモナイズと言うんですね、協調共和していくという、ここの考え方をエリックさんは話していただいたわけです。
 彼の写真にもありました、あそこは今バルト3国、スカンジナビア3国、それから東ヨーロッパすべてのEMの指導拠点と言いますか、冬の間みんな雪ですからそこへ集まって、トレーニングをして、夏は実施をして広げていくと、こういうことで今大きな役割を果たしております。
 また、デンマーク政府は2001年までに化学肥料、農薬を全廃するという法律を通しました。これは9月でしたかね。ですからそれにはもうEMを含めた自然を高度に利用したシステム、これに何としてでも取り組まなければならない。こう何と言いますか、一つの危機感、そこから現れているわけです。
 後でお話をいたしますけれども、京都会議の炭酸ガスの排出量、これを日本政府は5%と言っているわけです。しかし私はこれは20%にすべきだと。もうドイツはすでに15%来ているわけですから、20%を目標にすると今までの技術と変えた炭酸ガスは少なくて効率の良い技術というのがそこで出てくる、そういうイノベーションのチャンスなんですね。
 ですから見通しがないからという無責任なことを言わずに、これは人類にとって必要なんだからこのハードルを決めて、これを越す技術を皆で開発しようと、皆で協力しようとこういうスタンスが必要なんです。ですからまだ既成概念とか旧勢力とか、こういったものとの責めぎ合いが続いていますので、この辺りもう少し積極的に新しい次元に誘導する考え方でやっていくべきだと、そう思っております。

『EMボカづくりに取り組んで』 
 それからEMボカシ作りに取り組んでおられる、梅本さんのお話がありました。これは皆さんもずいぶん感動してお聞きになったと思いますが、障害を持っている人達がリハビリ効果も兼ねて自立をして、そして環境というベースで社会参加をしていくと。これは去年もいろいろお話をいたしました。
 やはり本当に良い世の中というのは、その社会的に一番弱い立場の人が自立できるかという、これが良い社会か良くない社会かのバロメーターだと思っていいわけです。EM技術はそれが可能なこきは、今日のボカシネットワークの説明をお聞きになってもお分かりのとおりで、EM研究機構は国内の最優先事項としてこのボカシネットワークを支えるということにしているわけです。
 お陰様でたくさんの人のご協力、ご理解をいただいて、もうあっちこっちの作業所や施設からリハビリ効果はもとより、経済効果、地域との交流、そしてそれぞれの子ども達がその可能性をどんどん発揮してきたという報告を頂いています。
 こういう意味でこれから後もいろんな形で作業所やそういう障害を持った人達が積極的に喜んで社会参加ができるような、こういう場を作っていただきますようにお願いいたします。


『スペイン国カタルーニャ州デルタ デ エブロに於けるEM導入稲作の現状』
 それからスペインの中絛さん、これはなかなかできるものではありません。自分が行ってお米を作って会社に供給するという立場にあった人が疑問を感じ、そして自分の考え方で本当に良い農業をし、お米を供給しようと。
 こういうことで私は最初、彼のやり方を見て本当に驚いたんです。私に言わせると彼は全くの素人なんですよ。よくぞこれでと思ったんです。
 しかしさすがに勉強家でもありますし、実際にいろんな観察をして、この3年間の間に最終的に素晴らしいお米を作り、しかもあらゆる成果を集約し始めたわけです。
 残されている課題はやはり除草対策で、その深く耕すという所が問題なんです。実はEMでは、まず無耕機、耕さないという方法を目指さなければいけない。そして無除草、草は取らないでもいい方法を考えなければいけないですね。耕さない、草を取らない方法を考える。そして3番目は、化学肥料、農薬を一切使わない。そしていろんなものをリサイクルしていく。これはたとえば畜産と連動したり、生ゴミと連動したりとこういうことが必要なんです。ですからそこへ向けて努力をすべき課題なんです。
 簡単に言いますと、有機物残滓を水田の表面にずっと撒いて、5cmぐらい軽く鋤き込んで、そして後はEMの拡大活性液を10アール当たり50リットルでもいいんですよ。100リットルでもいい。お米の研ぎ汁でも増やせるわけですから、そういうふうにして水田にダーッと流していきますと、だいたい表面の有機物が発酵して、2週間でそこの表面にある種子や種根も全部枯らして発酵させて、草1本生えてこない、もう本当にスッテンテンにしてしまうんです。
 その後直撒か、田植えをするんです。ですから田植えの前に耕機をするのではなくて、1回土を慣らして、有機物も全部おいてEMをしっかり入れられるようにして水を溜めて、2週間発酵させたら草は1本も生えてきません。それでその上で直撒きをしてくれると第1関門突破と、第1と言うよりは第2関門も突破するようになるわけです。ですからこの辺りを一つポイントとして挑戦していただければと、そう思いました。
 それからもう一つ大きなニュースと言うか、彼はお米の籾の中に白い粉を混ぜていました。あれはEMーXセラミックスの粉です。さすがに驚いたのは、私がそういうことを言うと彼はすぐ日本から取り寄せて混ぜるんですね。お米の中にEMーXセラミックスの粉を混ぜますと、5年経ったって新米と全く変わらない。要するにポストハーベストです。収穫して後、虫が入らないようにいろんな農薬を使ったりします、保存剤を使いますけれども、EM−Xセラミックスの粉を使いますと、その波動でいつまでも新鮮な状態になります。
 今日ずっと会場で展示されていますエンバランスなど、EMセラミックスやEM−Xを組み込んだ袋が各種出ています。こういうのに入れておきますと、理論値では10年以上持つと私は見ておりますが、科学的な物質を使わずに長期保存ができるということになります。
 それで農業の方は中絛さん言われたように、EMは種子処理から始まるんです。畜産もすべてそうです。小さい時に遺伝子をしっかり健康にしておくということが必要なので、そこを一つ念頭に入れて、EMを薬の代わりに使うんじゃなくて、その前に環境をちゃんとし、種子から始まってきちっと素質を十分伸びるような準備をしてあげるということなんです。

『都市での自己完結型建物を目指して』
 平方さんはずいぶん謙遜して話しておりますが、これはもうほとんど結論が出ているんです。まあ比較がないからいろいろ遠慮されている面もありますが、多分、彼の所の電気量なんか半分ぐらいに減っているだろうと私は見ております。それからいろんな電化製品の寿命とか性能もまるっきり変わっているでしょうし、そこへ住んでいる人は多分病気の人はいないと思います。病気の人がそこへ住むと全部治ってしまうだろうと思う。
 本当に高級ハウスですよ。なにしろEM-Xをフルに使っているんですもの。普通はEM-1を2%ぐらいで拡大活性化して、それを水に2〜3%水の割入るようにしてやればいいんですが、やはり当時まだ彼はEMは生きているし、生きているものが中へ入ると具合悪いんじゃないかという心配があって、EM-Xと2号をベースにしながらやっていったということです。
 確かにそれだけの価値はありますし、EM-Xでやってくれる方が、例えばセメントなんか石灰岩のように構造が変わってくるんです。ですから、より高級、より健康、より長持ちするというふうに考えれば、EM-Xを入れた方がいいんです。正解はEM-Xセラミックスの粉を入れたという点で、これは先ほどのお米の貯蔵じゃないんですけれども、大変な力を持ってきます。
 だから多分にひかり平方マンションはですね、1000年経ってもあのままじゃないかと私は思うんですが、今それを確かめる術もございません。普通の錆びている、またもともと痛んだような所でも、EM-Xセラミックスの粉を擦り込んだり、それからペイントに混ぜて塗ったり、またEM-Xと併用していきますと、どんどんどんどん若返ってくるんです。
 私は物を捨てるのはとても惜しいので、よくガラクタをいろんな所へ入れるんですが、以前自分の家で使っているプロジェクター、スライドを写す機械がなかなか動かなかったんです。修繕しても一時は動くんですがすぐ駄目になっていた。それをEM-Xセラミックスをたくさん置いている横にポンと置いているうちに、この機械が直っちゃったんです。本当に心地よく使えるんです。
 それだけでは無く、カミソリも刃がいつまでも錆びないですから、3ヶ月、半年使ってもへっちゃらだと。農家の人はEMを使った畑で草を刈っていると、カマが作業しながらどんどん切れるようになってくるという話をします。きっと皆さんまさかとおっしゃるでしょうが、やってみるとすぐ分かるんですよ。
 そういう意味でもう一つ「ひかり光平方ビル」の大事なポイントは放流水です。1.3PPM、これはもう飲んで水道水とほとんど変わらないんですよ。流入が20PPMと言っていましたが、トイレを使ったり何かすると20PPMということはちょっと有り得ないので、多分200PPM間違いじゃなかったかと思うんですが、それが1.3PPMになっているということはですね、これから後非常に楽しみと言いますか、すべて完結型のマンションと言いますかね、建物ができる大きな礎と言いますか、先陣を切る事例になると思います。
 それから先月末に北海道に行きまして、主に医療関係の人が入ってもらうために、コンクリートからすべてEMを使って建てた6階建のメディカルビルがありました。やはりセメントの匂いもほとんどいたしませんし、俗にシックハウスと言われておりますけれども、そういった現象は起こっておりません。
 あとですね、こちらにちょっと提示の出ておりました、ビックリドンキーというレストランを全国展開しておりますアレフという会社の牧場があります。そこへ行ってみましたらやはり平方さんの方法を取り入れてですね、コンクリートにも、もうあらゆる部分にEM-XセラミックスやEM、またはEM-Xを使っておりました。これは畜産関係では大変なモデルになるだろうと期待しております。
 それから我が家のペンキにもEM-XとEM-Xセラミックを入れて吹き付けてあります。ちょうど3年経ちましたが、まだ新品そのものです。家は25年以上経っておりますが、あっちこっちの錆も消えておりますし、やはり1000年持つなと内心思っております。
 

『ベラルーシにおけるEM利用の第1次的評価と
 チェルノブイリ災害の問題解決について』
 今日のと言いますか、この大会の大きな結論的な話なんですが、まだ各種の放射能を出す元をどう消すかというのは残っているこれからの課題なんですが、現実に起こっている放射能障害をEM1号でかなり解決できると。
 チェルノブイリの原子力発電所の爆発した30Km地点で実験をやれるということになりましたので、この間からコノプリヤ教授といろいろ話をしました。本当は今年大掛かりな工事を進める予定だったんですが、EM研究機構の予算の問題とか、派遣人員の途中でメンバーが変わったりしましたので、それで遅れました。しかしその間に今のような素晴らしい成果が出てきた。そして来年度はかなり大掛かりにやっていくことで合意しております。私どもの提案はもうすべて受け入れて実行できるということでしたので、来年、あるいは昨来年くらいにはもっと素晴らしい報告ができるのではないかと思います。
 今までのコノプリヤ先生の報告では、ストロンチウムは吸収させない、そしてセシウムは急激に吸収する。それから放射能のエネルギーの高い所で栽培をすると、収量が上がるというところまで分かってきておりますから、これからさらに研究を続けていけば、本質的な解決が可能になるのではないかと、今日の話を考え深く聞いておりました。

『1997-11 EMフェスタ97のまとめ』
 放射能というのが一番難しいと言われておりますが、現実問題として私たちの周辺にこの世の中の最強の毒性を持ち、そしてもうほとんど分解ができないという非常にやっかいな物質が今問題になっているわけです。これはダイオキシンという物質なんです。
 私は前から、このダイオキシンはEMで処理できるということを広言してきたわけですが、いや比嘉先生、EMというのは万能的だというのは分かるが、放射能対策できますよと言ったら命取りになりますよと前に言われました。これは通りました。大丈夫です。ちゃんとやれるようになったんです。
 それからいや先生、いくら何でもダイオキシンは無茶ですよと言われているんですね。しかし、ダイオキシンは超臨界水、例えば300 気圧300 度ぐらいの超臨界水だと非常に単純にパッと分解するんですね。EMの仲間は超臨界水の状態でも生きているんです。ですから当然ながらそれくらいのひどいエネルギーと言いますか、負荷に対して転換をしていく力がある。EMの効果というのは、抗酸化物質という世界と、それにリンクした抗酸化波動であるという話をしました。
 この波動は去年もお話しましたように、光合成最近のその光伝達系にあるんですね。光合成細菌のキノン、あれはユビキノンと通常言われているんですが、ビタミンEの前駆物質です。このキノンの電子伝達、コノプリヤ先生の結果にもありましたように、ATPと出ていました。これは電子伝達を成長していくという、エネルギー伝達をやるんですが、これが非常に活性化して、しかもスパイラルでくるくる回っていくんです。だからどっかで止まらずに回りますので、どんなに強いエネルギーやひどい圧力が掛かっても、これを電気に変えて自分はこのストレスを受けないというこういう性質を持っているんです。
 ですからこの性質をうまく使えば、そのダイオキシンの合成を阻害することもできますし、それから当然ながら既に出ていた土壌に溜まっているダイオキシンに対して高濃度で、また強烈な抗酸化条件におけば、これは分解できる。できない方がおかしいというのが私の考えであったわけです。
 現在、全国でダイオキシンの問題が非常に厳しくなってきました。それで予定よりもちょっと急いで研究を進めようということで、EM研究機構の佐藤さんと星野さん、2人の特別研究員にとにかく急いでこの大会の前までにEM-XやZ、またはそのEMを含めた抗酸化的な性質を使ってダイオキシンが減らせるという証明をしろと、私は彼等に無茶苦茶なことを言ったわけです。
 彼等も有能な科学者ですから、普通の方法では絶対に分解できないものをやれと言うわけですね。でも今までのEMの不思議さを知っておりますから、本当に必死になって協力をしてくれました。そして私が長い出張から帰ってきたらですね、ニコニコしながらいやこれはやはりEMはすごいという話になったんです。
 それで結果はですね、最終的にはここの会場に展示しておりますEM-Zというのがあります。あれは波動値を上げていますので、EM-Zとそれからもっと波動値を上げたEM-Zセラミックスの粉末、それからEMの拡大培養液と一緒にゴミに一度掛けるんです。そういうふうな措置をして燃やしますと、なんとダイオキシンが半分ぐらいに減る。これは大変なことなんです。
 半分に減ったか、というんですが普通はこれは分解できないんですから、どんな方法をしたって数字は同じなんです。これが半分に減ったということは、方法を変えればゼロにすることができるという意味なんです。
 普通の学者はそうは言いません。何で半分か、後半分はどうするんだと言いますがそうではありません。これくらい分解が難しいんです。だから少しでも減ったということは、減らし方があるということなんですが、半分ぐらいになるということは後はもう方法論なんです。
 だからゴミをEMで前処理して燃やす。燃やす時にまたEM、あるいは3号でも1号でも拡大したのをやる。あるいは煙が上がっていくというので上からスプレーをすると、または燃焼炉全部にEM-XセラミックスやZセラミックスを使ってやると、こういうことであればこれは解決できるということになるわけです。
 ですから今日の大きなハイライトはですね、この放射能対策とダイオキシン、要するに環境汚染問題で地上最強を言われた両方をコントロールできるということですから、これはもう昨日お話しましたように、我々は人類の未来を語れるような状況になってきたんではないかと、そういうことになるわけです。
 それで京都会議の例の炭酸ガスの問題ですが、これはまず基本的には炭酸ガスの放出が少ない省エネ技術が大切です。今のEM-Zを使っていきますと、高速道路ではもう本当に50%の燃費節減になります。
 排気ガスはいつもお話しているように、MRAやLFTで計りますと、何とマイナス18、このガスを吸っているとどんな病気になってもおかしくないというマイナス18の排気ガスがEM-Zでプラス18に変わるんです。するとこの排気ガスを吸えばどんな病気でも直ってしまうというこういうことになるんです。
 あの放射能対策の不思議さをお考えになってください。これはエネルギーのベクトルを変えるんですよ。エントロピーの法則に従って汚染を撒き散らかすようなこの方向を先ほど話しました電子伝達の微妙なスパイラルなシステムによって、有害物というのも相当なエネルギーがあるんですが、それを良いエネルギーにチェンジするという。
 だからかけて終わりじゃなくて、昨日の加藤先生のお話にもありましたように、ガンにならせて注射したんでは駄目なんです。その前にそういう方向性を作ってやっていけば、ガンになるような要素は幾ら入れても罹らないと言うんですかね、これは加藤先生の報告じゃなくて、北里大学でそういう結果が出ているわけです。
 加藤先生の場合はもうひどい状態にしてそれを抑えようとする。これはなかなか成果が出ないと。ですけどそこへ行かない前にちゃんとやっていけば、健康すべてのものを健全にするという力が維持できるということになるわけです。
 ですから自動車でそれをやりますと、それだけで30%以上の炭酸ガスの削減ができるわけです。同じ技術を火力発電所、今北朝鮮で火力発電所をEMを使って石炭にそれを撒いてやると煙も少なくなり、発熱量も多くなり、そして送電線にそれを使えば当然ながら送電効果が上がると、こういう実験をもう実用的なことで始めているんです。
 そういうことから考えますと、あらゆる所でEMを使う、例えば冷蔵庫にも洗濯機にもと、いろんなところで使っていけば、これは各家庭のエネルギーを30%、上手にやれば50%減らすことは可能なんです。なぜ減るかというのはフリーエネルギーを取り込むからということは分かっているんです。
 こんなことを言うとまた物理学者と大戦争をやらなければいけないので、私は放射能対策ができるというときも大変なことだったんです。しかし、もうこれは実証する以外ないというのでチェルノブイリまで乗り込んだわけで、そういう意味でこれも論議は止めて現実を優先させると。
 EMの場合もそうだったんです。それをいつの間にかあのMOAという変な集団が変な所へ引っ張り出して、彼等の理論で叩き出したんですよ。これは我々が立っているスタンスは全く違うんですから、近代科学とか従来言われた伝統的学問の世界では論議できない。ここを無理に引っ張り出されて叩かれて、あらぬ無駄をしていくと言いますか、こういうことであったわけです。
 ですからこれから後もEMの技術は結果を出し、必要なデータは出していきますけれども、やはり従来の理論に則った論議は止めようと、そして結果を思い切り出し、その結果が持続的でしかも皆にプラスを与えるということであれば、すべて良しとしなければならないんです。
 私たちに問われているのは、すべてが自主性なんです。自分の自己責任という、それでやってみて、その結果を皆さんに波及していくということになるわけです。ですから私は京都の炭酸ガス削減が20%以上にすべきだということを盛んに言っているわけですが、どうも皆さん今までの延長ではそれを努力しては限界だから、できないことは約束しないというおかしな論理になってきているわけです。
 それから環境問題はそういうことと同時に、ゴミ処理の問題についてもほとんど結論が出ておりますから、後はこれをシステム的にどうするか。各県、または市町村単位で今モデルをどんどん作り始めてきておりますので、これももう時間の問題じゃないかというふうな気がいたします。
 健康や医療についても、EM技術をベースにして、教育を含めた全体の考え方を変えないといけない。健康であるということは税金を納めなくてよろしい、病気の人は、罰則を取って税金を余計取るべきだという、それくらいの思想に変えないといけない。病気というのはあらゆる歪みの集約なんです。逆に言うと悪いことの集約ですから、私は盗みはしていません、何はしていません、というのと余り変わらないぐらい悪いことなんです。そういうふうに見ますと、社会に20何兆円もの迷惑を掛けるということです。
 しかし今の教育の中では変えられない。なぜかと言うと皆競争する。そして皆に負けないように頑張ってこうやったから病気になった。だから病気になるのも権利だと、こういうふうになっていますね。しかしEMを日常化すれば、誰も病気にならずにきちっといく。先程の住まいをはじめ環境すべてがそれできるというのであれば、これは幼稚園からもずっとその教育をして、そしてある学年以上は病気になったらペナルティーを課すという、それくらいの教育をしないとこの本質的な問題は解決しないんです。
 今日はいろいろな分科会がありましたが、学校でEMを広げていくのに、先生方は資料不足だと言われていたんです。しかしすでに、明治図書から「生きる力を育む環境学習」という本が、教育雑誌ツーウエイという雑誌の別冊として1年間に3冊か4冊出ているんです。これには例えば匂いが本当にいい発酵の匂いか。……というのは、本当に臭い腐敗したゴミの匂のあと、EMの発酵臭をさせたら、ああ、これはいい匂いと必ず言います。でもそれもさせずにボカシの匂いやゴミを処理した匂いをさせると、ちょっと匂いのするのは今の子どもはみんな臭いとしか言いませんから、こういうようなことも全部書いてあります。
 このシリーズは増刷してずっと使えるようになっていますので、もう過去の雑誌で終わってしまった、絶版になったと思わずに、是非活用していただきたい。それと後は「EMで生ゴミを生かす」というサンマークから出ている私が整理した本がありますが、それと両方やっていただけたら大体片付くのではないかと、そう思っています。
 それから住まいについては、大会実行委員長の知念さんにお世話になりまして、私が具志川市で沖縄県の建築士会具志川支部で講演をした、例えばシックハウスの原因、またそれを対策するにはどうすると、こういうようなことを含めた冊子が出ておりますので、これを参考にしていただきたいと思います。
 畜産でも分科会でたくさんいろんな成果も出ておりますし、農業もそうですけれども、基本的にはそのEMの密度を上げるということ、それからその土なら土の錆を落とすと言いますかね、いろんなこの悪いことすべて酸化現象ですから、それを消していく。ですからこれを林業でいけば、例えばEMを飛行機で山にずっと撒いていくと、山が生き返るというのはもう分かっているんです。オーストラリアでもそういう実験がもう始まっているんです。
 それからいろんな加工品もそうです。それを使ってやっていけば、時間が経つほど質が良くなってくる。今日の結果よりも、1週間後の方が良くなっている。これはエンバランスのお米の実験でもはっきりしているんです。今までだと置けば必ず悪くなるんですから、これは信じられない話かも知れません。ですけど現実はそういうことだと理解をしていただいきたい。
 しかもEM-Xを加えて熱を加えると、さっきのように熱伝達と言いますか、エネルギー伝達の効率がよくなりますから、熱は加えた方がいい。EMは生きているから、60度以上じゃあ、確かにそれで死ぬ菌もいっぱいいますけれども、光合成細菌とリンクした細菌は100 度ぐらいでは死なない。
 むしろ100 度ぐらいの熱を加えている方が雑菌がいなくなってEMの天下になるということも段々分かって来ております。ですからそういう意味で、熱に対して過敏になる必要はありません。100 度やそこら日常的なその温度であれば高い方がいいということになる。
 それから二次産業については材料をすべて機能性にして、あらゆるものの故障が無くなって、省エネで効率よくいく。いろんな場所にEM-Xセラミックスの粉とか、EM-Xを吹き付けるとか、または塗料に混ぜるとか、いろんな製造プロセスで入れることによって、あらゆる材料が高機能化して省エネ化していく。そして大事に長く使えるということをもう一度確認をして、いろいろ応用していただきたい。
 それからホテルや大きなビルのメンテナンスの場合にも、そういう方法を取っていけばビルの寿命やホテルの器材の耐用年数というのが何倍も長くなっていくということです。この件もほぼ結論が出たのではないかと、そういう気がいたします。
 基本的にはEMの使用によって錆が消えて抗酸化物質が蓄積し、効果が表面化するまでに時間があるんです。ですからこの時間を待たずして、EMの結論を出すのは、ちょっと何と言いますか、化学肥料、農薬的発想になりますので、ここも含めて根気強く、利くまで使えということなんです。
 EM-Xの場合もそうです。もう人間すべて個々人によって条件が変わるんです。だからガイドラインはあると言っても、実際には飲んで体の中のその酸化物が消える、あるいは遺伝子の酸化して傷付いた状態のものが正常に戻る、そこまではずっと続けるということなんです。
 一生飲み続けなければならないか、という薬みたいな発言もありますがそうではありません。これを飲むことによって日常的な生活の質、本人が頭がはっきりするとか、体がよく動きやすくなるとか、いろんなそういう生活の質の中で大きな差が出てきます。
 私たちはEMそのものの中ではなくて、EMを使うことによって外に生み出すプラスアルファー、ここをこれから掘っていかなければいけないだろうと。
 だから私はEMを使うことがボランティアだということを強調し始めたわけです。最初の頃を思い出していただきたいんですが、利くまで使えですよね。そしてEMを利かしきれなかった人は悪い人だと、EMを利かせられるようになった人はいい人だと、私はそういう発言をしました。これは目に見えない微生物をうんと働かそうという配慮、それが重要だということを強調してきた。
 そしてEM活動というのはボランティアだと、これをやることによって自分の生き甲斐があり、周囲もできるだけマージンを少なくして、そして皆の活動に便利になるようにと、そういう努力をしてきた。そこも終わりますとですね、最後はEMを使うことそのものがボランティアだと。
 要するに生ゴミ処理をしていけば、その生ゴミから出てくる液を台所から捨ててくれるだけで毎日水を綺麗にするボランティアに参加しているわけですよ。
 これが海までいけば海の資源も復活させて、水産資源の復活に毎日ボランティアをやっているんですよね。化学肥料、農薬を止めてEMをやるとですね、本人も元気なんですが、土も良くなる、地下水も綺麗になり、空気も綺麗になる、その水系の生物が全部復活していく。こんな凄いボランティアはないですよ。その上にそれを食べる人がまた元気になるという、こういうことなんですね。
 ですからこれを使うということの考え方を、もう一度原点的な所で再評価をする時期に来ているのではないか、そう考えております。
-1999.11.8