ダイヤモンドの「たこ焼きバイトで食いつなぐライター」の記事を読んで、考えさせられました。僕も不安定なフリーライターなので…。
当座の金のために、自分のためにならない仕事をやるべきではない
フリーランスってまさに時間との戦いなので、僕はこんなポートフォリオで仕事を考えています。縦軸が「お金のため」、横軸が「自分のため」です。
円の大きさは割いている時間や精神力です。さすがにフリーランスをやって一年半も経っているので、このポートフォリオは理想的な状態に近づいています。
昔は「お金にはなるけど、あまり自分のためにならない仕事」も少なからず受けちゃっていましたが、今はそういうフラストレーションからは開放されました。自分が重要だと思う「NPO支援」にも十分時間を割くことができています。子どもが生まれたら、ちょっと余裕がなくなりそうですが…。
もし、子どもが生まれて生活に余裕がなくなったら、僕はきっと当座の金を得るためにアルバイトを始めざるをえないかもしれません。しかもそれなりの時間を割いて。そういう悲観的な予想を図にすると、こんな感じ。
アルバイトに時間を割くあまり、他のすべての活動が縮小します。お金にならない「NPO支援」はポートフォリオから消え去ります。
しかし、そうしたお金にならない部分に、僕の競争優位性があったりします。NPO支援やブログ運営に関わる時間を減らせば減らすだけ、講演や書籍の執筆といった仕事も少なくなっていくでしょう。短期的な収益を得ようとするがために、自分がコモディティ化していくわけです。
生活の損益分岐点を見直そう
こういう悲劇を避けるために、僕がもっとも重要だと思うのは、生活コストを下げることです。すべての面で、生活コストを見直しましょう。
先の記事では「政治・社会系の雑誌の原稿料収入が15万円くらいで、たこ焼き屋でのアルバイトが約15万円」とありますが、まずは生活コストを落として、たこ焼き屋バイトを3万円で済むようにするべきでしょう。この方は独身だそうなので、決して無理ではないでしょう。
生活が低コストであれば、それだけ損益分岐点が下がるので「金のための仕事」をやる必要性が薄れていきます。生活コストが月30万円の人と、月15万円の人とでは、大きく仕事に対する態度は変わってくるでしょう。
先日計算したところ、うちの世帯(夫婦共働き)は年収200万円もあれば、家賃はもちろん、税金・社会保険も払った上で、なんとか生きていけることが分かりました。実家暮らしをしたり、減免制度を使えば、150万円以下にすることもできそうです。
この事実は、僕の心の余裕の源泉です。「来月売上少ないな…」と思ってしまったときも「まぁ、今年は300万稼いだし、のんびりやればいいか」と開き直ることができます。
これはかなりフリーランス的な発想ですが、ある程度会社員にもいえることだと思います。「高級だけど自分のためにならない仕事」「薄給だけど楽しくて自分のためにもなる仕事」のどちらを皆さんが選択するか、という話ですね。その判断は、生活コストの多寡で変わってくる、というのが僕の主張です。
皆さんはどのように自分の仕事を捉えていますか?お金のために、やりたくもない仕事をやってしまってはいませんか?ぜひ考えてみてください。コメントも募集中です。
関連本。新しい働き方を考えるならこの一冊がおすすめ(ブックレビュー)。