サンデー時評:「もらえるものなら…」なのか=岩見隆夫
2012年06月06日
一昨年、死んだ親を生きていることにして子供が年金を詐取していた事件が発覚し、世間に衝撃を与えたことがあった。河本騒動はそれにつぐ二度目のショックである。年金、生活保護費の不正受給は、公のカネをだまし取る点では同じで、かつての日本人はそんな反社会的な行為は恥とした。自立心がそれに勝っていたからでもある。
しかし、昨今は恥の意識も自立心も鈍ってきたようだ。若者の間では、生活保護のことを、
「ナマポ」
と呼んでいるという。ナマポを狙え、と言っているみたいで、寒々とする。
<今週のひと言>
身内のNO会談、騒ぎすぎ。
(サンデー毎日2012年6月17日号)