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高校7冠井上 鮮烈KOデビュー!左ボディーで撃沈
プロボクシング8回戦(49キロ契約) 井上尚弥 KO クリソン・オマヤオ (10月2日 後楽園ホール)
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2回、オマヤオ(左)に強烈なパンチを見舞う井上
Photo By スポニチ |
怪物がベールを脱いだ。高校生史上初のアマチュア7冠を達成した井上尚弥(19=大橋)が49キロ契約の8回戦でプロデビュー。通算21戦でKO負けのなかった東洋太平洋ミニマム級7位クリソン・オマヤオ(19=フィリピン)から初回にダウンを奪うなど圧倒し、4回2分4秒、左ボディー一発でマットに沈め、鮮烈のKOデビューを飾った。
グローブが破裂したような乾いた音が響き渡った。4回。強烈な左フックが相手のボディーをえぐった。腹を抱え、のたうち回るオマヤオに10カウントが告げられると、1900人の「ナオヤ」コールを全身に浴びた井上が左拳を突き上げた。
「KOで倒せて良かったけど、余計なパンチをもらう反省点もある。明日から練習するつもりで、課題を克服したい」。快勝を喜ぶだけでなく、冷静に振り返った。
ロンドン五輪金メダルの村田諒太が「化け物」と言った逸材。テレビ局8社が計20台のカメラを回す異様な光景にも「逆に集中できる」とメディアの注目を“餌”にして東洋太平洋ランカーを料理した。実は試合10日前に練習で右拳を負傷し、右を使った練習は一切できなかった。「試合中に少し痛くなった」と言うが、痛みをこらえて放った右ストレートを相手が警戒したことで、左のKOパンチにつながった。
相模原青陵高で高校生史上初の7冠を獲得。ロンドン五輪出場は4月のアジア選手権決勝で判定負けして夢と散ったが、7月のB級プロテストでは日本ライトフライ級王者・黒田雅之をスパーリングで圧倒。実績なども認められ、元世界王者の平仲明信氏ら過去6人だけだったデビュー前のA級ライセンス取得を史上初めて10代で果たした。異例の8回戦デビューだったが、実力は本物だった。
次戦は1月に世界ランカーとの対戦を予定。「世界王者になって何度も防衛して最強になりたい」と目標を語った平成生まれの19歳が、伝説の始まりにふさわしい最高のスタートを切った。
▽A級ライセンス 一般の選手は、プロテストに合格してC級ライセンスを取得すると4回戦デビューとなる。アマ時代に優れた実績を残した選手、ヘビー級で活躍する藤本京太郎のように他の格闘技団体で活躍した選手は、B級ライセンスが受験でき、合格すれば6回戦デビューを果たす。最高峰のA級ライセンスを取得するには、B級に合格し、その上で日本ボクシングコミッションに申請して適正かどうかを見極められる。
◆井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川県座間市生まれの19歳。元アマチュア選手でジム経営者の父・真吾さん(41)の影響で小1からボクシングを始める。相模原青陵高1年時にインターハイ、国体、選抜を制覇。2年で国体、3年ではインターハイ、全日本選手権、インドネシア大統領杯を制して7冠獲得。アマ通算75勝(48KO・RSC)6敗。1メートル63、右ボクサーファイター。家族は両親と姉、弟。
[ 2012年10月3日 06:00 ]
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