東日本大震災:がれき受け入れ、北九州市が反対派市民らに説明会 主張は平行線 /福岡
毎日新聞 2012年10月02日 地方版
宮城県石巻市の震災がれき焼却に絡み、北九州市は1日、反対する市民らへの説明会を開いた。参加した約15人と冷静に話し合ったが、主張は平行線をたどった。
市民団体ハイキブツバスターズ(共同代表・北川喜久雄県保険医協会理事ほか)が9月3日に北橋健治市長宛てに公開質問状を提出し、市に説明を求めていた。
説明会では「3焼却工場や処分場近くの地元住民に合意を得たのか」との質問に、市は「がれきの放射能濃度は1キロ100ベクレル以下で放射性廃棄物ではなく合意は不要だが、求められれば説明する」などと答えた。終了後、代理人の高橋謙一弁護士は「今日の議論を基に再質問状を出したい」と話した。
一方、焼却に反対する市民ら5人は、9月11日付で、市にがれき搬入・焼却の禁止を求める仮処分を地裁小倉支部に申し立てた。宮城県が、県議会の議決を経て昨年9月に鹿島建設などの共同企業体にがれき処理を委託したことに触れ「処理権限を移す議決を受けないまま、北九州市でがれきを焼却するのは違法」などと主張。市は答弁書で「事後、議会の決議があれば追認できる」などと反論している。【宍戸護】
〔北九州版〕