第二東京弁護士会:新人弁護士の就職支援「はなさき記念館」 「事務所なし」に格安賃貸、初の入居者が“巣立ち” /東京
毎日新聞 2012年09月09日 地方版
8月下旬、記念館を離れたのは鈴木昌太弁護士(45)。09年、19回目の挑戦で旧司法試験に合格し、昨年夏に修習を終えたが就職先が見つからず、記念館で初めて「開業」した。その後、受験生時代に知り合ったベテラン弁護士と再会して就職の声がかかった。11月から新たな事務所で活動するが、「経験豊富な弁護士と継続的に一緒に仕事ができることはとても幸せなことだと思う」と喜ぶ。
記念館での約8カ月間、民事・刑事計十数件の事件に携わったほか、東日本大震災の被災地での法律相談会にも出向いた。鈴木弁護士は「幅広く経験できたが、独力で仕事をとってくることの難しさも思い知った」。
記念館を利用できるのは原則1年。より多くの新人弁護士に利用してもらうための配慮だ。鈴木弁護士は「1年は本当に短いと思う。利用者は自分なりに方向性を決めてほしい」と話す。
開設に関わった二弁元副会長の菅沼友子弁護士は「今後、利用希望者が増えて(記念館に)入居できない新人弁護士も出てくるだろう。その際の支援体制をどう作っていくかが今後の課題だ」と話している。【和田武士】
〔都内版〕