“オバマ政権 日中関係を憂慮”10月2日 23時2分
アメリカ・オバマ政権でアジア政策を担当したホワイトハウスの元高官が、NHKのインタビューに応じ、沖縄県の尖閣諸島を巡って日中の対立が深まっている事態をオバマ政権が非常に憂慮しており、領土問題以外の海洋資源などの分野で日中の対話を期待する声が上がっていることを明らかにしました。
インタビューに応じたのは、去年までの2年間、オバマ政権で国家安全保障会議のアジア上級部長を務め、中国の専門家としても知られる、ジェフリー・ベーダー氏です。
ベーダー氏は、尖閣諸島を巡る問題について、「アジア太平洋地域で最も緊密な同盟国である日本と、世界で最も重要な新興国である中国が対立を深めていることを、オバマ政権は非常に憂慮している。人さえ住んでいない、いくつかの岩礁を巡って武力が行使されることなど、誰も望んでいない」と述べ、オバマ政権が懸念を強めていることを明らかにしました。
また、事態を解決するための方策については、「日中間で決めることであり、オバマ政権は仲介役を務めるつもりはない」としたうえで、「領土問題に固執していては進展は望めない。領土問題と切り離して、海洋資源の問題などについて検討することも有益だという意見が政権内でも出ている」として、領土問題以外の分野で対話を進めることを期待する声が上がっていることを明らかにしました。
一方、日本政府による国有化を受けて、中国国内で反日デモの一部が暴徒化したことについては、「非生産的であり、賢明ではなく、中国自身を傷つけた。国際社会の真のメンバーにはそぐわないという印象を与えてしまった」と述べたうえで、双方が互いを刺激するような行動を避け、慎重な対応をするべきだと強調しました。
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