パプア:独立活動家「このままでは民族根絶させられる」
毎日新聞 2012年10月01日 02時30分(最終更新 10月01日 02時39分)
【ジャカルタ佐藤賢二郎】インドネシア・パプア分離独立運動では「国家反逆罪」で有罪となった活動家ら約70人が投獄されている。その一人で活動家のフィレップ・カルマ服役囚(53)が病気治療で滞在中のジャカルタで毎日新聞の取材に応じ、「国際社会の介入で独立の是非を問う住民投票を実現してほしい」と訴えた。
カルマ氏は「インドネシア人は我々と兄弟で平等だと言うが、それは虚言だ。独立を求めるパプア人の声は封じられ、人権侵害や差別が横行している」と語り、「このままではパプア民族は根絶される」と訴えた。
公務員だったカルマ氏は04年の式典で使用が禁止されている独立パプア「国旗」を掲揚して逮捕され、懲役15年の判決を受けた。獄中での虐待などへの抗議行動が国内外に伝わり、パプアでの人権侵害の象徴的存在になった。国連は昨年11月、カルマ氏の拘束は国際法違反としてユドヨノ大統領に即時釈放を求めた。