地下鉄7号線(埼玉高速鉄道)の岩槻駅への延伸を巡り、さいたま市の清水勇人市長は1日、2012年度内を目標としていた事業着手の時期を延期すると発表した。沿線のまちづくりなどを進めて「おおむね5年後」の着手を目指す。需要予測や採算性などの調査も5年後にやりなおす計画で、延伸区間の開業は25年度頃になる見通しだ。
清水市長は09年に定めたマニフェスト(政権公約)「しあわせ倍増プラン2009」の中で、12年度末までの事業着手を目標に掲げた。だが市と埼玉県がつくった第三者委員会が今年3月にまとめた報告書で、採算性が厳しい現状にあることが判明。延伸の方向性については12年度前半に明らかにするとしていた。
市は今後、現在の7号線の終点である浦和美園駅や、延伸後の終点になる岩槻駅周辺など沿線地域を対象に重点的にまちづくりを進める。清水市長は「延伸の検討段階から、地域の成長・発展の実行段階に移行する」と強調。併せて発表した「浦和美園~岩槻地域成長・発展プラン」で、延伸実現に向けて沿線開発の具体的な施策を実行する考えを示した。
同プランは12~20年度までを対象に、8分野で43項目の方策を挙げた。このうち新規事業は4項目で、今後5年間で約6億円を投じる。イベントの開催や快速バスの運行のほか、市長をトップにした全庁体制の組織や、県や国などとの連携組織を新たに発足させることなどを盛り込んだ。進出を検討する企業向けの見学会を催すなど、情報発信を強化する「プロデュース戦略」も始める。
新たな事業着手の時期とした「おおむね5年後」の成長目標では、浦和美園地区の定住人口を4000人以上増やして倍増させることや、岩槻地区に観光機能拠点を整備し年間約7万人以上の交流人口を生み出すことなど、具体的な数値目標を挙げた。
延伸の事業化には、整備費用の3分の1を国が補助する「都市鉄道等利便増進法」の枠組みの利用が欠かせない。今後5年間で同法の要件となる30年以内の累積黒字転換などのハードルを越えられるか。さいたま市の実行力が問われる。
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