野田第3次改造内閣 田中 真紀子氏入閣に党内外からさまざまな声
1日、野田第3次改造内閣が発足した。目玉は田中 真紀子新文部科学相で、およそ10年ぶりとなる再入閣に、賛否両論、さまざまな声が上がっている。
首相就任から1年1カ月で3度目となる内閣改造。
野田首相は、自ら閣僚名簿を読み上げた。
岡田副総理や玄葉外相、森本防衛相ら8人が留任する一方、10人が新たに入閣した。
中でもその目玉となったのが、文部科学相に田中 真紀子氏を充てるサプライズ人事だった。
1日、中国から帰国した真紀子新文科相は「わたしは政治家として19年間、現場第一主義でやってきていますので、現場もよく見せていただいて、複合的な目で見て、考えて判断していきたい」と述べた。
2001年、小泉内閣の外相に就任した真紀子氏。
その一挙手一投足が大きな話題となる一方で、秘書官が、次々と体調不良を理由に辞任し、中には、指輪を紛失した責任をなすりつけたと言われたこともあった。
結局、事務次官との対立で外務省が機能不全の状態となり、更迭された。
野田内閣誕生後は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題の対応などで、批判的な意見を繰り返していた真紀子氏。
2011年11月、真紀子氏は「党員資格を3カ月間も停止にしていただきまして、おかげで野田なんとかさんという方に投票しなくてすんだ」と話していた。
しかし、9月の代表選挙では一転、野田首相の再選を支持した。
その真紀子氏の入閣に、渡部恒三最高顧問が「非常に謙虚になったし、常識的になっているから、ちゃんと務まるよ。予言しておく」と述べるなど、民主党内から支持する声がある一方で、「プラスにならない」とする批判もある。
また、自民党の石破幹事長は「文部科学行政で非常な見識をお持ちであるということは、寡聞にして聞いたことがありません。なぜ今のこの時期に彼女なのか、よくわかりません」と述べた。
そうした中、1日午後に官邸を訪れた真紀子新文科相は、「原子力の規制委員会について、納得がいかないところがあったので、総理に『どういうふうにお考えになっているのか』ということを逆に伺いました」と述べた。
そして、早速、文科省の男性幹部を議員会館の女子トイレの中に呼び出し、何事かを指示するなど、マイペースぶりを発揮している。
真紀子氏の入閣については、中国との国交を築いた田中元首相の娘として、日中関係を重視したとの見方も出ている。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「目玉というよりは、野田政権の火種になりそうな感じがしますよね。知名度とトラブルの危険性でいえば、もろ刃の剣のような感じがします」と語った。