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<野田改造内閣>真紀子氏入閣に賛否 拉致担当相交代に批判

毎日新聞 10月1日(月)22時34分配信

<野田改造内閣>真紀子氏入閣に賛否 拉致担当相交代に批判
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野田第3次改造内閣の初閣議後に記念撮影する野田佳彦首相(右下)、田中真紀子文部科学相(中央)ら=首相官邸で2012年10月1日午後7時35分、山本晋撮影

 外務官僚との対立などから外相を更迭されて10年。文部科学相に就任した田中真紀子氏は、94〜95年に旧科学技術庁長官、09〜11年には衆議院の文部科学委員長を経験し、文教・科学政策に明るいとされての起用。就任の記者会見では、官僚との「友好関係」を強調する場面も見られた。

【写真で見る】野田第3次改造内閣の顔ぶれ

 「大臣の(政策の)方向性をしっかり理解してくだされば日本の官僚は有効に機能する。胸襟を開いて専門的な話をしたい」。官邸で開かれた閣議後の記者会見で、かつて外務省を「伏魔殿」と呼んで次官らと対立した点を聞かれた田中文科相は、官僚の優秀さに触れた。ひときわ大きな声。手元の資料に目を落とすことなく、質問した記者から目をそらさずに持論を述べる姿勢は健在だった。

 いじめ対策については「個々の問題への対処は当然だが、他の人との違いを認識し、自分に自信を持つような人づくりができれば、いじめのない社会の方向に向かうのでは」と指摘。小中高校生の自殺が昨年度200人だった点を聞かれると「本当に嘆かわしい。子供を精神的に追い込まないで、たった一回の人生を生きられるようにするのは大人の責任」と話した。

 「台風(17号)は去ったはずなのに」。1日朝、文科省幹部はそう漏らした。田中氏とは面識はないが、外相時代の報道を覚えており「大臣と接する総務課や官房は大変だ」と困惑した。別の局長級職員は「どの政策を優先するかは大臣の判断が大きい。仮に政策が変わると国民への影響が大きい」と話す。

 田中氏の文科相就任について、慶応大の金子勝教授(財政学)は「いじめ問題における教育委員会や学校の隠蔽(いんぺい)体質や、原発事故における原子力ムラを打破するには、馬力がないとできない。官僚と対立するのは政治の役割を果たしている証拠。本領発揮だ」とエールを送る。一方、フリープロデューサーで吉本興業元常務の木村政雄さんは「真紀子人気の賞味期限はとっくに過ぎている」と冷めた見方。「発言もしょせん『悪口』レベルで核心を突いているとは思わない。いじめなど深刻な問題に対処すべき時に、この人に任せていいのか疑問だ」と切り捨てた。【石丸整、福田隆】

 ◇家族会代表「首相のやる気を疑う」

 拉致問題担当相は松原仁氏から田中慶秋氏に交代し、民主党政権発足後で担当相が7人目となることに、拉致被害者の家族は政権への不信感を示した。

 拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(74)は「田中さんはまったく知らない人」とした上で、「(家族会などから)考えや行動が評価されている松原さんがなぜ交代なのか。振り出しに戻った感じ」と落胆した。「被害者や家族は命がかかっており、時間がない。野田(佳彦)首相のやる気を疑う」と不満をぶつけた。

 横田めぐみさん(行方不明時13歳)の父滋さん(79)は「松原さんは民主党政権で、一番熱心にやってきてくれた。留任すると思っていたのに残念」と戸惑いを見せ、「一日も早く(日朝)交渉を再開させて、結果を出して」と新大臣に注文を付けた。【清水勝、高橋直純】

最終更新:10月2日(火)1時8分

毎日新聞

 

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