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山菜取り遭難相次ぐ

 山菜取りが熊との遭遇する危険性が高いということは最近度々書いていますが、遭難そのものも最近立て続けに起きております。

 5月21日の毎日新聞の記事では、北海道で山菜取りの遭難が立て続けに起きてしまった報道がありました。
遭難:山菜採りで相次ぐ 初夏にかけて事故のピーク期、道警が注意呼び掛け /北海道

 山菜採りに出かけて遭難する事故が相次いでいる。札幌市南区では18日に無職男性(99)が行方不明になり、19日には18〜29歳の男女4人が遭難。いずれも救助されたが、厚沢部町でも同日無職女性(77)が行方不明になり道警などが捜索している。札幌管区気象台によると、道内は22〜23日の週末は道東を除き穏やかな天気となり絶好の山菜採り日和になる見込みで、道警では注意を呼び掛けている。

 19日夜、札幌市東区の男性会社員(29)の父親から「息子らが山菜採りで遭難した」と110番があった。男性は同日午前11時ごろ、行者にんにくを採りに友人と計4人で定山渓の山林に入山。夕方になり川が増水して渡れなくなり、別ルートを探すうちに道に迷ったという。4人は翌20日午前5時すぎ、林道で手を振っているところを無事救助された。食料やテントなどは持っていなかったが、4人とも冷え込みに備えてウインドブレーカーを着ていたのが幸いしたとみられる。

 道警地域企画課によると、昨年の山菜採りの遭難事故は113件発生し、11人が死亡、5人が行方不明となった。今年は19日現在で10件(前年同期比10件減)にとどまっているものの、死者数は既に2人に上り、行方不明者も1人出ている。

 遭難事故は例年、タケノコや行者にんにくなどが採れる春先から初夏に集中。昨年は113件のうち104件が4〜7月に発生し、山菜別ではタケノコ採りの事故が72件(約7割)で最多だった。ささやぶを分け入って採るため、方向感覚を失いやすいのが要因とみられる。

 山菜採りでは群生する“穴場”を他人に秘密にする人が多く、遭難地点の特定に時間がかかるケースもある。また、山中は夜間に冷え込むこともあり、道警は「行き先や帰宅時間を家族に知らせて、出かける際は暖かい服装も用意して」と呼び掛けている。【金子淳、片平知宏】

==============

 <道警が呼び掛ける山菜採りの心構え>

(1)行き先と帰宅時間をあらかじめ家族に知らせる
(2)2人以上で入山し、声を掛け合って位置を確認する
(3)黄色やオレンジ色などの目立つ服装を選ぶ
(4)携帯電話や非常食、クマよけの鈴などを持ち歩く
(5)迷った際はむやみに歩き回らず体力消耗を抑える
 昨年同時期よりは発生件数は少ないということですが、死亡や行方不明が起きているというのは深刻です。
 この記事の良いところは山菜別の遭難にまで少し触れているところで、タケノコ採りがささやぶに入るために方向感覚を失いやすいという分析が大切です。
 また、記事末尾にも触れていますが、山菜の穴場は知り合いや家族にも口をつぐむという、保護のためならまだしも、単に強欲で秘密にしてそのせいで発見が遅れるというのであれば自業自得とも感じます。

 私は山菜取りなんかは全くしませんが、それでも道警が呼びかけている山菜取りの注意事項くらいは全てでは無いにせよ、心得ています。
 しかし、実際に山菜取りを趣味にしている人がそれを心構えとしていないというのであれば、ちょっと山に入るのは止めておいた方が良いように思います。

 軽装や油断による遭難・事故というものに関しては、こうも報道されているにも関わらず、それを自分のものと考えることができないという点では最近紹介した熊による加害事故と共通しており、実に残念なことです。
 「振り込め詐欺」と同じように、そういう事件・事故があると承知で、なおわが身に降りかかってしまうのでしょうか。日常生活に突如入り込んで来る詐欺事件とは違い、自らが進んで野山に入っていく以上、多少なりとも自覚というものを持ってもしかるべきだと思うのですが。
 もっとも、それは登山でも同じことが言えますけれど。

 5月31日の山形新聞からです。
山菜採り遭難、県内相次ぐ 慣れは禁物、準備入念に
2010年05月31日 08:35

 県内で山菜採りに伴う遭難が相次いでいる。今月18〜23日にかけて5件、立て続けに発生した。いずれも1度入ったことがある山での遭難。これから細ダケなどのシーズンに突入し、山に行く人が増えることから、県警地域課は「慣れた山で油断しがちなため、装備が不十分なケースが多い。しっかり準備して山に入り、自分の力を過信しないでほしい」と呼び掛けている。

 県警によると、今年の山菜採りでの遭難は28日までに計9件発生し、遭難者は計10人。発生件数は昨年同期と同じだが、遭難者は1人多い。今年の遭難者のうち亡くなったのは1人で、滑落やクマに襲われ2人がけがをした。死者は昨年同期より5人少ない。

 原因別にみると、「道迷い」が7件で最多。ほとんどが慣れた山でのことだった。山菜採りのポイントを知っているため、ルートを外れても帰れるという過信があり、道に迷う人が多いという。最近は複数で山に入るものの、山中で個人行動し、集合場所に戻れなくなるケースが目立つという。遭難者の多くは、山菜探しに夢中になり、居場所が分からなくなっていた。

 今年は低温の日が続き、山菜採りシーズンは例年より遅かった。18〜23日は天候に恵まれ、待ちわびた人たちが多数山に入ったことが、遭難が相次いだ背景とみられる。シーズンインが遅れた分、今後、遭難件数はさらに増えることが懸念されている。

 県警地域課は「山では油断大敵。しっかりと準備し、無理をしないことで遭難は防げる」とする一方、万一の備えも怠らぬよう求める。具体的には携帯電話、非常食を用意し、さらにヘリによる捜索で発見されやすいよう、目立つ色のレインコートなどを持って行くこと。行き先、帰宅予定時間を家族などに伝えてから出掛けるよう訴える。

 また「個人で行動する際は、声を掛け合ってほしい。ラジオを集合場所などに置いて聞こえる範囲で行動することも遭難防止に効果的」と指摘。今年は28日現在でクマの目撃情報が20件(昨年同日比12件増)と多く、クマよけにもなるため、ラジオの携帯を勧めている。 
 山形県でも、発生件数が増加しているとわけでもなく、死者も大きく減っているということです。
 しかし、それはたまたま気候が不安定な春であったために入山者が減っていただけとも考えられ、また事故が「油断」という点では深刻ではありますね。

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野外での行動食で、原料に水飴を用いていないキャンディや飴を持って行くことは避け、氷砂糖を持ってくるように周りに伝えています。水飴が含まれていると食べ過ぎると下痢をおこすので注意です。どうしても疲れたり体温が下がったときには甘いものが欲しくなるので、ついつい口に入れてしまいお腹の調子を悪くしてしまう、最悪の条件にこれが重なると大変です。

2010/6/1(火) 午前 3:42 りーふ

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水あめを食べ過ぎると下痢、というのは知りませんでした。そういえば、私は最近下痢気味なのですが、同時に最近、会議でお話しをすることが多くのどアメばかりなめていたから?と思い当たる点が…。キシリトールもお腹がゆるくなると聴いたことはあります。

私はのどが渇いた場合は水が一番のどにしっくり来て乾きが収まるのですが、理屈ではスポーツドリンクの方が身体に吸収されやすい…はず、なんですよね。ですが、のどがカラカラのときにスポーツドリンクを飲むと、どうも私はダメですね。気分の問題なのかもしれませんが…。

2010/6/1(火) 午後 11:22 [ 泉ヶ岳 ]

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山菜取りのリスク

 先日は熊による加害という面から、山菜取りは熊に遭遇するリスクがあるという根拠と、実際に加害された件数に触れて紹介いたしました。  そんな中、今日、警察庁から昨年における全国の山岳遭難にかかる統計資料が公表されました。  6月8日付けの産経ニュースの記事です。 {{{ 昨年の山の事故 死者・行方不明者は過去最多の317人 9割が40歳以上 2010.6.8 17:52  平成21年の山の事故による死者・行方不明者は前年に比べて36人増の317人で、統計を始めた昭和36年以降最

2010/6/9(水) 午前 0:12 [ 日々是雑感 ]

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