野田第3次改造内閣について、高田圭太記者の解説です。
野田第3次改造内閣が1日夜、正式に発足しました。
フジテレビの政治部官邸キャップ・高田圭太記者の解説です。
(まず率直に何を感じますか?)
やはり、まず論功行賞というのが1つ出てくるのかなと。民主党内では今回、政権浮揚と解散・総選挙対策のために、中堅・若手のフレッシュな人たちを登用した内閣を期待した声があったんですけれども、ふたを開けてみれば、田中慶秋法務大臣ですとか、小平国家公安委員長といった入閣待望組、これまでも入りたかったのになかなか入れなかった人が、ベテランが入ってきたということで、これについて本当にこの内閣で解散をするのかと、解散できるのかといった声も、民主党内で出てきているんです。ただその一方で、よく見ると民主党の昔「七奉行」という、エース級と言われていた人のうち、仙谷さんを除く野田さん、岡田さん、玄葉さん、前原さん、枝野さん、樽床さんという、エース級が入っているんですね。これを見れば、解散・総選挙にも堪えられるような、エース級の重厚な布陣を敷いたということもまた言えるということになります。
(何か名前は考えましたか?)
強いて言えば「論功・重厚どっちつかず内閣」といった形で、国民を意識しない内向きの人事と、解散・総選挙を見据えた重厚な人事が入り交じっていて、野田さんも解散・総選挙の戦略をいまひとつ、定めきれていないのかなという気がしないでもありません。
(一方で、目玉として田中 真紀子氏の存在ですが、やはりこれは中国との関係を意識しての人事になりますか?)
という声は多いんですけれども、もちろんそれをちょっと期待しないでもないんですが、野田総理としては、やはり外交そのものにはタッチしてほしくないと。やはり外務大臣時代に、アメリカとの関係も真紀子さんのことで険悪になりました。なので、そこにはタッチしてほしくないんだけれども、文部科学大臣として文化交流などの面で、関係改善につなげてくれるという副産物があればいいなという、淡い期待は確かにあるようです。
(となると、真紀子氏入閣の真意はどこにあるのですか?)
やはり野田政権、このところ国民の支持は低迷していますので、その起爆剤に期待する声は高いんです。ただ真紀子さんといえば、やはり先ほどももろ刃の剣という話がありましたが、きょうも真紀子さん、ちょっとイラストにも出ていますけれども、文部科学省の事務次官を女子トイレの奥のほうまで、男性ですよ。を呼んで、そこでずっと指示を続けるというようなことがあったんですね。やはりなかなかスイッチが入ると、周りが見えなくなってしまうという真紀子さんの面というのは、まだ解消されていないということで、ちょっと本当にこれ、いい仕事してくれればそれでもいいんです、いいとは言えないかもしれませんけれども、そういう仕事ができる環境を本当に作れるのかなという懸念の声は、本当に広がっているんです。
(そもそも野田総理は、この内閣で何をしたいんですか?)
きょうこの野田内閣、初閣議で基本方針の14項目を決めました。この中では震災の復興ですとか、原発対策、それに社会保障と税の一体改革の実現や、領土・領海など、いろいろ挙げているんですけれども、目新しいものはありません。とにかく一歩一歩着実に進めていこうということで、言い換えれば、解散・総選挙については先送りしつつ、実績を上げてチャンスをうかがうというのが基本姿勢という内閣ということになります。