ソニーによるオリンパス株式の11%取得計画は、実質的に日本の過去最大級の企業スキャンダルの最終ページを飾ることになる。この計画はまた、このスキャンダルの舞台となった内視鏡メーカー、オリンパスがその世間の常識から隔絶した企業文化をほとんど変えなかったことを示している。
企業幹部が13年間に15億ドル(1170億円)の損失を隠したとされるオリンパス事件は、同社の評判を落とし、その財務力を弱めたばかりでなく、日本企業の統治および透明性への疑問も浮き彫りにした。同社のトップは1年に4回代わり―うち1人は逮捕―何カ月間かは、損失隠しあるいは損失隠しを止めなかったことで同社が提訴している人たちが経営に当たっていた。
しかし、オリンパスは多くの外国人投資家が要求した大胆な改革を実行する代わりに、株主も兼ねる主力取引銀行の支援や日本の業界のパートナーからの支援を受けるという、旧来の日本方式でこのスキャンダルをほぼ乗り切った。
昨年10月のウッドフォード社長の劇的な解任の前日、同社株は2400円程度で、その後下落したあと、同11月には485円で底を打ち、現在は1500円程度に戻している。
ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパンの小口俊朗代表取締役は、こうした幕引きが日本は変わっていないと言われる懸念を残すとし、増資など重要な戦略的決定をする上でオリンパスは引き続き密室での協議をしていると付け加えた。年金基金が一部出資する、英国に本拠を置くこの投資グループは一部のオリンパス株主を代表している。
オリンパス・スキャンダルは、いわゆる日本株式会社が経営難の企業の周りで結束を固めるという以前からのやり方を示した。
液晶メーカーで、増大する債務を抱える一方で資金を緊急に必要としているシャープは9月28日、主力取引銀行によって46億ドルのシンジケートローンがまとまったと発表した。日本政府の当局者は先週、経営難に陥っている半導体メーカー、ルネサス・エレクトロニクスが米投資ファンドに買収されるのを防ぐため、ルネサスの過半数の株式を買収する優良企業グループに政府が支援する投資ファンドが参加すると述べた。
しかし、ソニーが約500億円のオリンパスの第三者割当増資を引き受けるという、両社の資本提携は、他の政府や銀行による救済策よりも外国人投資家をいら立たせた。企業統治の専門家によるとこれは、オリンパスが内視鏡の世界市場で支配的地位を確立し、救済対象となっている他の企業に比べてはるかに良い状態にあるためだ。
多くの外国人投資家は、オリンパスはその所有株式を13%近くも希薄化する資本注入は必要ないとし、その代わりに経営陣の交代とコスト削減を行うよう求めている。オリンパスは28日の声明で、ソニーとの提携で株式の価値が上昇するため、株式の希薄の度合いは「リーズナブル」だとの見解を示した。両社は1日に、提携についての詳細を明らかにする予定だ。
小口氏は「この増資計画は「この増資は既存株主が蚊帳の外に置かれているという印象を与える」と指摘した。
確かにスキャンダル後のオリンパスでは多くのことが変わった。東京地検は損失隠しをした容疑で菊川元会長ら3人を逮捕した。9月25日の公判で3人は有罪を認めており、刑は最高で10年の懲役刑だ。
企業統治問題に対処するためオリンパスは今年4月、多くの社外取締役を迎えて取締役会を一新した。新体制の下で同社は人員削減や製造部門の合理化、非中核資産の売却などの計画を示した。
しかし、外国人投資家は外部の指名による経営陣の徹底的な見直しを求めたが、同社は同社執行役員だった笹宏行氏を社長に、メーンバンクの幹部だった人物を会長に起用した。まさに日本の企業統治の改善能力を疑問視する人たちを嘆かせるような人選だった。