激しい口調で選手の奮起を促すグランパスのストイコビッチ監督(右端)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(47)が30日、怒りのメッセージで選手たちの奮起を促した。29日の新潟戦に0−5と大敗して優勝は絶望的となったが、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得られる3位以内は不可能ではない。「戦う姿勢を見せろ」と厳命した。控え組は暁高(三重)、中京大中京高(愛知)と練習試合を行い、MF吉田真紀人(19)らのゴールで勝った。
台風の影響でどす黒く染まった空の下、指揮官の顔が怒りで紅潮した。練習前、グラウンドの一角に主力組を集めると、ストイコビッチ監督は激しいジェスチャーを交えて熱く語りかけた。ピクシーの強いけんまくに、選手たちは棒立ちになってうつむく。大敗を受けての異例の説諭は、15分ほど続いた。
ストイコビッチ監督の怒りの矛先は、ズルズルと失点を重ねた選手たちの姿勢に向かったようだ。「戦う姿勢を見せろ」と繰り返し語った。さらに、7月28日に最下位・札幌に終了間際のゴールで敗れたことや、G大阪、新潟というJ1残留を争うチームにいずれも0−5で敗れたことを引きあいに出した。
「下位のチームにばかり負けている。なぜなんだ」と問いただした。心のスキがなかったか。残留を懸けて必死に戦うチームに気持ちで負けていないかと語った。
指揮官の怒声は選手たちの心に響いた。ベテランDF増川は「あの結果では何を言われても仕方ない。一人一人が自分がやるべきことをやらないと。ACLだけは逃したくない」と再浮上には選手個々の自覚が必要と説いた。
DF阿部も「踏ん張りが利かないような試合が多い。変えていかないと」と語った。
残り7試合。指揮官の檄(げき)が糸口となり、台風一過の晴天となるか。
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