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'12/10/1

中川秀直氏が引退表明 衆院選不出馬、世代交代理由に


 自民党の中川秀直元幹事長(68)=比例中国=は30日、東広島市と広島市安芸区で開いた後援会の会合で、次期衆院選に立候補せず、議員を引退する考えを表明した。地盤である広島4区の後継については、公募による選考を求めた。

 会合は非公開。中川氏は会合後、「私も(来年)69歳になる。若い安倍晋三総裁の下、世代交代した方がいい」と説明した。会合の出席者によると「定期的に通院している」と体調面も理由に挙げたという。議員引退後も政治活動を続けるとした。公募には、中川氏の次男で秘書の俊直氏(42)が応じる方向だという。

 中川氏は衆院当選10回。日本経済新聞記者などを経て1976年、義父の地盤を引き継ぎ、衆院旧広島2区で新自由クラブから初当選。その後自民党に移った。

 96年1月、橋本内閣で科学技術庁長官(当時)として初入閣。2000年7月、森内閣で官房長官に就任したが、スキャンダルを報じられ辞任した。その後は国対委員長、政調会長と要職を歴任。小泉純一郎首相の側近として構造改革路線を支えた。

 06年9月、安倍政権の発足で幹事長に就任。翌年の参院選で大敗し、辞任した。先の通常国会では党方針に反し、消費税増税関連法案の衆院採決を欠席。今回の総裁選では安倍氏を支援した。(境信重、新谷枝里子)

 ▽「大きな存在」「残念」 地元関係者に驚きの声

 自民党の中川秀直元幹事長の突然の議員引退表明に、地元の衆院広島4区の市町長や党広島県連の関係者たちには驚きが広がった。

 東広島市の蔵田義雄市長は県議時代、中川氏の選対幹部を務めた。「どうしたんだ」と驚きを隠さず、「地元にとって大きな存在。もし本当だとすれば、これまでのご苦労に感謝したい」と述べた。

 東広島商工会議所の岸田正之会頭は「経済成長による財政再建論者で、消費税問題でもデフレ脱却や円高対策が優先とされ、大いに勇気づけられてきた。残念だ」と話した。

 広島県府中町の和多利義之町長も「初当選からの付き合いで経済など何でも詳しく、頼りにさせてもらった。後継者をどうされるのか」と気をもむ。

 中川氏は後継について「公募するということ」と述べた。同党広島県連の岸田文雄会長(広島1区)は「本人から何も聞いていないので、コメントは控えさせていただく」と述べるにとどめた。

 東広島市選出の同党の下原康充県議は「公募も一つの案だが、まだ決まっていない。近く広島4区の党支部に選考委員会を設けて検討したい」とした。(小笠喜徳、田中伸武、新谷枝里子)




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