【東京】野田佳彦首相は1日、内閣改造を行い、財務相には予想外にも城島光力前国対委員長を起用すると発表した。
国家戦略相兼経済財政担当相には前原誠司前政調会長を起用するなど、新入閣の閣僚は10人となった。
アナリストらは岡田克也副総理が先週までは財務相に一番近いと見られていたと話している。その上で、城島氏はそれほど市場をかき乱すとは予想されず、金融問題では安住前財務相の敷いた路線を継承する公算が大きいとの見方を示した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト、村田雅志氏(東京在勤)は、「コンセンサス重視で党内融和」を優先する、と指摘。その上で、「彼自身に特段の経済政策なり、ビジョンなりがあるかというと、恐らくない」と述べた。同氏はまた、総選挙が12月にも予想されることから、野田首相はこうした要職に個性の強い人物を起用することで党内の緊張が高まることは避けたかったのだろう、との見方を示した。
村田氏はさらに、「もちろん国対としてがんばった。特に三党合意ができたのは彼の力もあるので、よくやったという褒美の意味での財務大臣という色彩は強い」と述べた。
城島氏は今年これまで、国対委員長として消費増税案の可決を目指し野党との調整に努めた。
前原氏は景気押し上げに向け日銀がしっかり対応すべきと発言していることなどもあり、動向が注目される見通しだ。しかし、総選挙が控えていることもあり、前原氏のこうした発言が行動に移されることはないとアナリストらはみている。
UBS証券のシニア債券ストラテジスト、伊藤篤氏は、「前原氏が日銀法改正や外債購入に言及したとしても、実現するには民主党政権の残り時間はあまりにも短い」と述べた。
その上で伊藤氏は、「それよりも注目すべきは来る衆院選で政権を取るであろう自民党の動きだ」と語った。
野田首相は田中真紀子元外相を文部科学相に充てた。玄葉光一郎外相をはじめ、藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、森本敏防衛相らは留任する。
また、郵政民営化担当相に国民新党の下地幹郎幹事長が就き、金融相には中塚一宏内閣府副大臣が抜てきされた。