ネットバンク窃盗:中国人リーダー、関東でも事件関与か
毎日新聞 2012年10月01日 02時30分
事件は、中国の犯罪組織が日本のパソコンにウイルスを送り込み、ネットバンキング利用者のID(身分証明)とパスワードを入手して口座に侵入。預金を別口座に移した後、日本にいる尚被告の指示で、現場指導役や出し子役の男らがATMで即座に現金を引き出していたとみられる。福岡県警が今年2月以降、尚被告と中国人留学生ら4人を逮捕した。
警察庁によると、同様の手口による昨年の被害額は全国で約3億円。尚被告は北九州市や熊本市の銀行で826万円の現金を引き出したとして起訴され、福岡地裁で公判中だが、捜査関係者によると昨年9月、関東地方の信用金庫のネットバンキング利用者が不正に預金を盗まれた事件にも関わった疑いがあるという。
尚被告は記者に対し、関東の事件について「全然分からない」と答えたが、公判は一時中断され、身柄が移送されるという。日本に滞在する中国人が中国の犯罪組織の指示を受けて広域的に連携し、事件を繰り返した可能性もある。