(cache) ＜老朽化した消火器＞使用時に破裂し顔面を直撃＝死亡事故も発生、腐食に注意

｜ＴＯＰ｜新聞購読の申し込み｜サイトマップ｜情報募集 |

TOP>危ない商品一覧>老朽化した消火器

「危ない商品」

■過去記事一覧

■『危ない商品』は本紙の大好評シリーズ「警鐘21～安全と危険の挟間で～」をホームページ用にまとめたものです。「自主回収等はされていないけれども、安全とも言いがたい商品」「現在危険性が叫ばれている商品」「使い方によっては危険性がある商品」などに焦点をあて、消費者にその危険性について警鐘を鳴らすというコーナーです。

▼老朽化した消火器　　…（第139号）

使用時に破裂し顔面を直撃＝死亡事故も発生、腐食に注意　　大阪府と福岡県で９月、腐食した消火器が破裂して２人がけがをする事故が発生したことを受け、消費者庁は１０月１６日、危険性を消費者に周知するよう国民生活センターや消費生活センターなどに通知した。腐食やキズのある消火器が手元にある場合は、日本消火器工業会（０３・３８６６・６２５８）やメーカーに連絡するよう呼びかけている。同工業会などによると、１９９９年度以降に少なくとも１０件の事故が発生し、２人が死亡したという。

　９月１５日に大阪市東成区で発生した事故では、駐車場の隅に置かれていた消火器４本のうち１本が破裂。消火器本体の一部が小学４年生の男児の頭部に直撃し、男児は意識不明の重体となった。翌１６日には福岡県行橋市で、６７歳の男性が納屋に置いていた消火器の薬剤を抜く作業をしていたところ破裂。消火器が下あごにあたり軽傷を負った。

　大阪市のケースでは、破裂した消火器は約２０年前に製造したもので、駐車場に１０年以上置かれており腐食してさびていた。行橋市のケースも消火器の老朽化が原因とみられ、１０年以上前に購入したものが古くなり、ラベルがはげてメーカーが特定できない状態だったという。

　消火器には「加圧式」と「蓄圧式」があるが、国内で広く普及しているのは加圧式。ガス圧力を利用して消火薬剤を放出する仕組みだが、容器が老朽化すると使用時の加圧に耐えられず破裂する恐れがある。

　老朽化した消火器の破裂事故をめぐっては、０１年に愛知県と北海道で死亡事故が相次ぎ発生。いずれも老巧化した消火器を使用する際に破裂し、消火器本体が顔面を直撃したことが原因となっている。消火器メーカーで組織する日本消火器工業会（東京都台東区）などによると、１９９９年度以降、１０件の事故が発生しており、２人が死亡、８人がけがをしたという。

　消火器の耐用年数は保管状態が良い場合でおおむね８年。消防法では一般家庭に消火器の設置を義務付けておらず、点検義務の規定もないことから、購入した消費者が点検を忘れ、耐用年数を超えた消火器が保管されているケースも多い。

　消防庁などは、消火器を風雨にさらされる場所や湿気が多い場所に設置しないよう注意し、腐食やキズ、変形があるものは絶対に使用しないよう呼びかけている。特に消火器底部やキャップ付近は腐食しやすい部分。また、本体は保管時に物がぶつかったりして変形や傷が発生しやすいので、点検が必要だという。

　また、同庁は、腐食が進んでいたりする消火器は自分で薬剤処理や解体をせず、各メーカーなどに廃棄を依頼するよう勧めている。廃棄処理中の破裂事故も発生しているという。

（2009年11月1日発信）