今年2月に経営破綻したエルピーダメモリの広島工場もその1つ。同社の技術の粋を詰め込んだモバイル用DRAM(半導体メモリ)は「破綻後にアップルから巨額の注文が入り、フル稼働が続いている」(半導体専門家)。
かつてアップル創業者の故スティーブ・ジョブズが憧れたソニーもその例外ではない。
「韓国サムスンに負けていないと、胸を張って言える数少ないビジネスの1つ」(ソニー幹部)が、カメラやスマートフォンに使われる“電子の目”、イメージセンサーだ。
ソニーはこの事業で世界最先端をいき、アップルもiPhone用(メインカメラ)をソニー1社の供給に頼っている。
「もはやソニーはライバルではないので、安心して発注できるのだろう」(アナリスト)と憐れまれながらも、現実はスマートフォン用チップの50~60%がアップルのiPhone向けに出荷される。そのため、「今年の初夏、iPhoneの需要が鈍ったときに、いきなり工場の稼働率が落ちた」(ソニー関係者)。
アップル色に染まる日本
列島中に広がる「i工場」
アップル向け製品製造の有無で潤い枯れる工場、いわば“iFactory”は、大手メーカーだけの話ではない。アップルの秘密主義ゆえに今まで一切口外されず、謎に包まれてきたが、じつは日本中に散らばっているのだ。
今回、本誌では取材を基についにそれらを割り出した。列島に広がる46工場の全貌については、是非、本誌をご覧いただきたい。