双葉病院:「患者死亡は原発事故が原因」独自報告書
毎日新聞 2012年09月30日 20時26分(最終更新 10月01日 01時46分)
病院の代理人弁護士によると、調査は11年5月に開始し、▽福島県災害対策本部▽大熊町役場▽自衛隊−−など、患者の避難を担った組織に聞き取りした。ただ病院側の報告書は、政府事故調査委員会が今年7月末に公表した報告書とほぼ同じ内容で、新たな事実は確認できなかったという。病院側は今後も調査を継続し、遺族が東電へ損害賠償請求する際は調査で得られた情報を提供する方針だ。
◇遺族「弁解ばかり」批判も
双葉病院に入院していたおい(当時43歳)を亡くしたという同県富岡町の阿久津文雄さん(73)は「院長の言葉は簡素で感情が伝わってこなかった」と説明会の内容に満足できなかった様子だった。筋肉が衰えていく病気を患っていたおいの避難は昨年3月16日になってからで、二本松市内の病院に搬送された直後に死亡した。息子が亡くなり阿久津さんの姉(75)はショックで寝たきりになってしまったという。
ドーヴィル双葉に入所していた親族2人を亡くしたという大熊町の女性は「これまで報道されていた以外に新しい内容はなかった。(病院側の)弁解ばかりが目立って、本当にそうなのか納得できない」と話した。